フジ、新取締役候補でダルトン案に反対の理由 個別面談の実施も報告「敬意と感謝の意を表します…

2025/05/16 17:09 

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フジテレビ(C)ORICON NewS inc.

 フジ・メディア・ホールディングス(フジHD)は16日、6月の株主総会に提案する新たな取締役候補を公表した。株主である米ファンド・ダルトン・インベストメンツが提案したSBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長をはじめとした12人は、含まれていなかった。同社は、その理由についても記した。

【画像】フジテレビが公表した再生・改革に向けての具体策一覧

 取締役候補をめぐっては先月16日までにダルトン側がSBIの北尾氏ら12人をフジHDに提案。ダルトン側は公表した書面で「今、ようやく日枝体制が終焉を迎え、フジテレビは生まれ変わるチャンスを得ました。私たち当社フジ・メディア・ホールディングスの株主は、日枝体制の残滓(ざんし)を一掃し、フジテレビの大変革を力強く推進する経営者たちを当社に送りたいと思います」と理由を説明した。

 フジHDは同30日の会見で、金光修社長と社外取締役3人(島谷能成氏、齋藤清人氏、茂木友三郎氏)が6月に開催予定の株主総会をもって退任する人事を発表していた。

 今回の発表で、同社は「株主提案が不適合と考える理由」との項目で「会社提案と株主提案の取締役候補者の全員について、等しく、当社の選任プロセスに則った慎重かつ真摯な検討を行ってきました。 特に株主提案の候補者の方には、提案株主から提供された資料とは別に、1志望の動機、2経歴・スキル、3推薦を受けられた経緯等の書面での提出をお願いし、一部の方を除いてご提供いただきました。さらに株主提案のすべての候補者に、当社の複数の取締役(社外と社内の両方)による個別面談をお願いし、一部の方を除いて受けていただきました。上記のプロセスを経ることで、株主提案の候補者の方々は、それぞれ特有の知見と実績をお持ちであり、面談を実施できた方の多くは、フジテレビの再生に強い思いをお持ちであることが確認できました。当社取締役会として敬意と感謝の意を表します」と紹介。

 その上で「まず、提案株主からは、社外取締役12名の選任を求める株主提案の前提として、株主提案書において「4つの課題」が示されています。当社取締役会として、これら「4つの課題」についても真摯に検証いたしましたが、これらの指摘はいずれも、当社グループによるこれまでのガバナンス改革・改革アクションプランの公表により、既により踏み込んだ対応がなされているか、あるいは事実認識が異なるため、取締役候補者を検討する前提とすることはできないと判断しました」とした。

 さらに加えて「こうした4つの課題に関わらず、株主提案にかかる取締役候補者についても、真摯に検討いたしましたが、以下の理由から反対することといたしました」と記した。

 「会社提案候補に替えて、あるいは加えて、株主提案候補を一括採用できない理由」では「株主提案候補者は、全員が監査等委員でない取締役候補・社外取締役候補であることから、監査等委員である取締役や業務執行取締役が不在になり、会社法上不適法となるため」「監査等委員でない取締役が12名となった場合、不適法とならないために会社提案の業務執行 取締役や監査等委員が就任したとすると、取締役会が肥大化して「コンパクトにする」考え方に反し、当社グループが取り組むべき課題に対し柔軟で迅速な意思決定が難しくなると考えられるため」と説明。

 「株主提案候補を一部でも会社提案に取り入れることができない理由」では「新たな経営指針である「改革アクションプラン」を遂行し、次期「中期グループビジョン」へと進化させていくためには、独立した立場から業務執行に対する客観的な監督を期待でき、当社のスキルマトリックスで必要とされる項目において豊富な経験・知見を有している会社提案の候補者で構成される取締役会がベストであると考えるため」とした。

 さらに「個別候補に係る理由」では「面談及び質問状への回答を拒絶され、当社の選考プロセスを十分に行えなかった方」「提案株主からの独立性に疑問があり、独立社外取締役としての資格に疑義がある方」「会社提案の取締役候補者と知見・経験等において重複が生じる方」「持株会社の社外取締役としての監督の視点よりも、個別企業の業務執行に関心が高いと思われる方」を挙げている。
ORICON NEWS

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