「感度がないのが驚き」 西田氏の「ひめゆりの塔」発言 識者の声
自民党の西田昌司参院議員が「ひめゆりの塔」(沖縄県糸満市)の展示内容を巡り「日本軍が入ってきて、ひめゆり隊が死ぬことになった。アメリカが入ってきて沖縄は解放された。そういう文脈で(展示の説明を)書いている」などと述べた自身の発言について謝罪に追い込まれた。ただ、西田氏は「歴史を書き換えている」と認識したひめゆりの塔の展示内容があったのは「事実」と述べ、撤回はしなかった。西田氏の発言をどう見るのか、識者に聞いた。【聞き手・平川昌範、日向米華】
◇沖縄国際大・石原昌家名誉教授(平和社会学)
元大本営参謀が沖縄戦を調査して、日本軍の非道な行為の数々について「皇軍のなれの果て」と書いたように、沖縄戦がいかに残虐だったかは自衛隊でさえ認識していた。戦争前夜と言われる緊張感がある今、沖縄が伝え続けてきたことを「違う」と言われるのは恐ろしい。
日本軍の沖縄守備隊は沖縄の住民を守るためでなく、本土決戦を一日でも遅らせて沖縄の陣地を守るための組織だった。戦争の歴史が都合よく解釈されたことは、戦争体験者や遺族にとって、はらわたの煮えくりかえる思いだろう。
戦後80年となる中、沖縄戦について残された膨大な記録や証言を、いかに多くの人に見てもらうかが大きな課題だ。
◇中央大・中北浩爾教授(政治学)
釈明会見を踏まえても、西田氏が理論武装をして発言したようには見えない。身内の場で、思いつきで発言したのではないか。沖縄には「非戦」「戦争自体が悪」という考え方がある。一方で、保守派としては日本軍が沖縄の住民たちを守らなかったという話を好まない。日本の防衛上、望ましくないと考えているからで、保守派にはそうした史実を否定する動機がある。非常にセンシティブな問題であり、政治家としてあまりに浅はかで不用意な発言だった。
会場には沖縄が地元の自民党議員もいたとのことだが、沖縄戦では住民の4分の1が亡くなった。その重い民意を背負って沖縄の自民党は存在している。住民にとってセンシティブな問題だという感度がないのが驚きだ。政治家であれば、そうした感度を持つべきだった。
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