能動的サイバー防御法が成立 基幹インフラへの攻撃に対応

2025/05/16 12:41 

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 サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」導入に向けた関連法は16日、参院本会議で自民、公明両党や立憲民主党、日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決、成立した。共産党やれいわ新選組などは反対した。

 能動的サイバー防御は、2022年末の国家安全保障戦略に導入が明記された。政府は24年6月に有識者会議を設置。同会議の提言を受け、今年2月に関連法案を閣議決定していた。

 関連法は政府が平時から通信情報を監視し、「基幹インフラ」に対する攻撃の予兆があれば攻撃元のサーバーに侵入、無害化する権限を警察と自衛隊に付与するのが柱。独立機関「サイバー通信情報監理委員会」が運用を監督し、国会に報告。電気や鉄道などの基幹インフラ事業者に、サイバー攻撃を受けた際の政府報告を義務付ける。

 参院に先立つ衆院の審議では、野党の要求を反映して政府案を修正。憲法21条が定める「通信の秘密」の尊重規定や、監理委員会による国会報告事項の具体化、法施行後3年をめどとする見直し規定を明記した。【竹内望】

毎日新聞

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