連合・芳野氏 国民・玉木氏の「徹夜してもいい」発言に苦言

2025/05/15 22:51 

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 連合の芳野友子会長は15日の記者会見で、国民民主党の玉木雄一郎代表が長時間労働を容認すると受け取られるような発言をしたことについて、「長時間労働による過労死や過労自殺が問題になっていることを決して忘れてはいけない」と苦言を呈した。

 玉木氏は4月29日に配信されたネット番組で給料を上げる方法を問われた際、政府や企業などが進める働き方改革について「残業時間を減らしましょうみたいな話ばかりだけど、満足感を持って働く人を増やした方がいい。もっと働きたいという人もいる」と主張し、「働きがい改革」が必要だと主張。残業規制についても「自分自身そうだったけど20代のころ、徹夜しろとは言わないけど、徹夜してもいいと思っているんですよね」とした上で「20代の人と50代の人の残業規制は、健康度合いも違うから違ってもいいかなと思っている」などと話した。

 さらに「働きたい人は働けるようにしていくことで、生産性も上がるし会社ももうかる。働き方改革で働く時間の規制ばかりやってきたことから、働きがい改革ということに少し局面を変えた方がいい」と続けた。

 こうした発言に対し芳野氏は「労働環境整備や生産性向上など総合的な取り組みが求められるという意図ではないか」とおもんぱかったが、使用者側から同様に時間外規制の上限緩和を求める声が出ていることに言及し「思いを共有している政党の代表として、誤解を招かないような丁寧な発言をお願いしたい」と述べた。また働き方改革について「長時間労働に依存した企業文化を見直し、過労死ゼロの社会作りを、労使が不退転の決意として掲げて取り組んできた。逆行してはいけない」と話した。【田辺佑介】

毎日新聞

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