マッチングアプリを通じて出会った男性をぼったくり行為をするバーに連れて行き、高額な飲食代金を支払わせたとして、警視庁保安課は１５日、いずれも飲食店従業員の２０代の男女３人を東京都ぼったくり防止条例違反の疑いで逮捕したと発表した。

　３人らのグループは２０２４年９月から、障害者向けを含む複数のマッチングアプリを悪用して、５４人の男性に東京・渋谷のぼったくり行為をする店で計約８０００万円を支払わせたとみている。警視庁は「匿名・流動型犯罪グループ（トクリュウ）」とみて調べている。

　逮捕されたのは、東京都新宿区舟町、佐古壮汰（そうた）（２２）▽東京都大田区西糀谷１、柴田小太郎（２１）▽新宿区大京町、菅原梨那（２４）――の３容疑者。

　逮捕容疑は、今年１月中旬ごろ、マッチングアプリで知り合った都内の２０代の男性会社員を東京都渋谷区道玄坂１の店舗に誘導。飲食代などとして現金自動受払機（ＡＴＭ）で現金１１０万円を引き出させた上、目黒区内の商業施設に連れて行き、ネックレスやブランドバッグ計４点（購入価格計約７５万円）を購入させたとしている。３人は容疑をおおむね認めているという。

　警視庁によると、菅原容疑者は、マッチングアプリで「りさ」や「ありさ」などの名前で登録された女性として、知り合った男性を店に連れて行っていたとみられる。佐古、柴田両容疑者は店員役で、共謀して男性にトランプゲームをさせ、水で薄めた酒を大量に飲ませていたという。

　警視庁によると、都内では今年１～５月、ぼったくり被害が約１４０件あり、被害総額は１億４０００万円に上る。被害者の平均年齢は２５歳だった。【菅野蘭】