三井住友カードとペイペイ連携 クレカとQR決済首位が「大連立」
三井住友フィナンシャルグループ(FG)子会社の三井住友カードとソフトバンクは15日、決済やポイントをはじめとするデジタル分野で業務提携すると発表した。ソフトバンク子会社のPayPay(ペイペイ)と三井住友FGの金融管理アプリ「オリーブ」を連携して互いにポイントを交換可能にすることで、三井住友FGは銀行サービスに利用者を呼び込む構えだ。銀行業界では2024年、みずほFGも楽天グループのカード会社に出資しており、決済・ポイントサービスを巡って個人顧客の囲い込み競争が激しくなっている。
三井住友カードとペイペイはクレジットカードとQRコード決済の領域でそれぞれ、買い物の取扱高が首位。三井住友FGの中島達社長は提携を「我が国のキャッシュレスをリードする大連立」と位置づけ、「金利がつく世界になり、預金は非常に重要になってきている。提携でオリーブ利用者は増え、カード利用、預金も増える。銀行へもプラスの効果を期待できる」と強調した。
三井住友FGは、2023年から一つのアプリでカード決済や銀行、証券、保険などのサービスを一括管理できるオリーブを展開。今回の提携で、オリーブのアプリ上の決済手段としてペイペイも加わり、三井住友カードの「Vポイント」とペイペイのポイントを交換して互いに決済に使用できるようになる。ペイペイの入金に他社カードをひもづけている場合、今夏以降は利用料がかかる方向だが、三井住友カードは無料のままになる。
決済以外のサービス充実も図る。オリーブで、ソフトバンクのヘルスケア子会社が提供するオンライン診療などのサービスを提供するほか、ソフトバンクの生成AI技術を使って、コールセンターをAIオペレーター対応にしたり、住宅ローンの一括返済の提案など利用者の個別データに応じて役立つ情報を提供するアプリを開発したりする。
日銀は24年3月にマイナス金利を解除して政策金利を引き上げており、銀行も相次いで貸出金利を引き上げた。貸し出しの収益が改善傾向となったことから、元手となる預金の重要性が増している。各行はポイントをはじめ、預金の増加につながる個人向けサービスの利便性を高めている。
みずほFGは自行のポイントを楽天やペイペイのポイントに交換できる。24年には、楽天サービス内でポイントが使える「楽天経済圏」の中心である楽天カードに15%弱を出資し、関係を強化した。ソフトバンクは元々、みずほがメインバンクで、みずほの木原正裕社長は「ソフトバンクと証券、クレジットなどで協業している。そこをしっかり深めていく」と語った。
三菱UFJFGは自行の利用でKDDIグループのポイントサービス「Ponta(ポンタ)」がたまる。24年には、投資を一任できるロボットアドバイザー最大手のウェルスナビを買収し、個人向けサービスを拡充。現在ネット銀行の設立も準備している。亀沢宏規社長は同日の決算発表会見で、「いろんなポイントアッププログラムをやっていきたい」と話した。【古屋敷尚子、山口智】
◇メガバンクグループのサービスや提携内容
▽三井住友 個人向け総合金融サービス「オリーブ」に決済手段としてソフトバンクのペイペイが加わり、展開するVポイントとペイペイポイントが相互交換可能に
▽三菱UFJ 銀行利用でポンタポイントがたまる。2024年にはスマホ金融サービスのウェルスナビを買収。ネット専業銀行の設立も検討
▽みずほ 銀行口座の利用でみずほポイントがたまる。24年に楽天カードに15%弱を出資。みずほポイントは楽天ポイントやdポイント、ペイペイポイントにも交換可能
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