「世界一貧しい大統領」死去 くさばよしみさん「頑健な人」と悼む
「世界で一番貧しい大統領」と呼ばれたウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領が13日、89歳で亡くなった。2016年のムヒカさんの来日時に随行し、「世界でいちばん貧しい大統領からきみへ」(汐文社)などムヒカさんを紹介する絵本などを編著した編集者のくさばよしみさん(67)は「今の世の中をどう見ているのか、メッセージを聞いてみたかった」と悼んだ。
ムヒカさんは10年から約5年間大統領を務め、その質素な生活ぶりや、行き過ぎた利潤追求や大量消費への警鐘は、日本でも注目を集めた。
「貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲望があり、いくらあっても満足しない人のことだ」。12年、ブラジルのリオデジャネイロで開かれた国連「持続可能な開発会議」でムヒカさんが行った演説は世界に感銘を与えた。
くさばさんはムヒカさんの存在を子どもたちの希望にしてほしいと、14年に演説内容をまとめた絵本「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」(汐文社)を出版した。
くさばさんに宛てた手紙でムヒカさんは、意見の対立や分断が進む現代社会に対し「寛容な心と、差異よりも共通点に重きを置くことが重要です」と説いた。そして「勝利より敗北から学ぶべきなのです」とつづった。
優しい笑顔が印象的なムヒカさんだが、貧しい家庭の生まれで、軍事政権下では左翼ゲリラとして活動し、10年以上の投獄生活も経験した。
くさばさんは「眼光は鋭く、厳しい面もある人だった」と振り返る。来日時、これからの社会のあり方を尋ねたくさばさんは、ムヒカさんから「自分で考えなさい」とたしなめられたことが印象に残っている。
過去には「皆、僕を頼ろうとする。これからどう生きていけばいいか、レシピを欲しがるように聞いてくる」と苦言を呈していたこともあったという。
くさばさんは「単なる理想論者ではなく、合理的な考えの現実主義者でもあった。肉体、精神ともに頑健な人でまだまだ元気でいてほしかった」と惜しんだ。【小林多美子】
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