太陽の塔、重文に 市民の声で解体→保存に転換、評価された価値
1970年大阪万博のシンボル、太陽の塔が重要文化財に指定されることになった。国の文化審議会は建造物としての文化的価値を評価したが、美術史家はアートの観点からも「20世紀を代表するモニュメントだ」と作品の重要性を強調する。
約70メートルの巨大なシルエット、縄文時代の土偶にインスパイアされた人類の根源的なエネルギーを表現した造形、塔内に生命の進化を表す展示空間を併せ持つ構造――。前衛芸術家、岡本太郎がデザインした太陽の塔は半世紀経た今もなお、見る者に強烈なインパクトを残す。
「太陽の塔は、現代美術のどんな文脈にも収まらない屹立(きつりつ)した作品。だからこそ、当時は現代美術の関係者からも批判されたが、(万博後)最終的に残ったのは太陽の塔だった」。「岡本太郎宣言」などの著書がある美術史家の山下裕二・明治学院大教授は、塔の革新性をこう解説し「世紀を代表するモニュメントで、もっと早く文化財に指定されていても不思議ではなかった」と語る。
今、改めて注目するのは岡本が込めたメッセージだ。70年万博のテーマは「人類の進歩と調和」。岡本はテーマ展示プロデューサーを務めていたが、調和とは程遠い人類の現状を捉え、アンチテーゼとして「太陽の塔」を対峙(たいじ)させたとされる。「テーマへの痛烈な批判や、人間が『機械の奴隷』になっていることに警鐘を鳴らす意味を込めていた」と指摘する。
当初、太陽の塔は万博閉幕後に解体が予定され、岡本も残すことにこだわっていなかった。だが市民の声によって保存が決まり、重文指定で国によってより厳重に保たれることになる。山下さんは「太郎さん自身は(重文)指定には全く頓着しなかっただろう。しかし、太郎さんが危惧していた人類の状況はさらに悪化し、メッセージの重要性は増している。未来へ残すことに大きな意味があり、将来的には国宝にすべきだ」と話す。【上村里花】
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