コロナ後に最初に戻ってきた“推し活”層に「全ベット!」、バス会社に意識変化「運輸業ではなく…

推し活層に賭けたバス会社 提供:WILLER EXPRESS

【写真】え、これがバス!? 快適すぎて爆寝は必至…最新座席シート
■「遠征はバス一択!」の時代へ、推し活層から支持集めるバス会社
大ブームの推し活の心強い味方としても、すっかり定着した高速バス・夜行バス。比較的安価な移動手段のため「浮いたお金を推しに全振りできる」、早朝の到着も「いち早くグッズ列に並べて好都合」、長時間の移動も「寝て起きたら到着しているからむしろタイパが良い」など、あらゆる利便性から「遠征はバス一択!」とする推し活勢は多い。
こうしたニーズに着目するバス会社も増えており、メイン層である若い女性向けのサービスを充実させている。なかでも高速バス大手のWILLER EXPRESSは、SNS等で快適・便利なバス利用のノウハウを発信するなど、推し活の応援に積極的だ。
「推し活というワードを意識し始めたのはコロナ禍でした。バスの利用が落ちこむなか、最初に戻ってきたのが、帰省でも旅行でもなく、『ライブに行きたい』という需要だったんです。当時は『うちは推し活応援に全賭けしよう!』が掛け声になっていましたね」(WILLER EXPRESS 商品本部 販売企画チーム 篠原玄さん)
■ミセスのチケット当落日にアクセス殺到、エンタメ多様化で「移動動向を推察するのは難しい」
そして、アフターコロナに推し活市場は本格的に加熱。ライブの本数はもとより、大規模アリーナの建設ラッシュも相まって、推し活勢の全国大移動が始まった。
「チケットの当落が決まった瞬間にバスを予約する方も増えました。最近顕著だったのが、Mrs. GREEN APPLEの10周年コンサートの当落日。全国からバス予約サイトにアクセスが殺到しました。いつ・どこで・どのコンサートが開催されるのか。バスは増便すべきかなど、エンタメのトレンドは常に注視しています」(同)
篠原さんによると「推し活が“追っかけ”と呼ばれていた時代から、ライブ遠征目的のバス利用は多かった」という。
「ただ当時は推しの対象が今ほど多様でなく、また一度ファンになると根強く応援する傾向がありました。しかし近年はライバーや歌い手など意外なアーティストが熱狂的なファンダムを形成していたり、また“推し変”のサイクルも早まった印象があります。エンタメに伴う移動動向を推察するのはどんどん難しくなっていますね」(同)
2010年の国土交通省調査によれば、高速バスの利用率は女性が男性をやや上回っている。このデータから、推し活ニーズが高まる以前より、女性たちが活発にバスを利用していたことが伺える。
「当社に関して言えば、10年以上前から女性の利用率が7割ほどでした。男性は10~20代前半がメインで、『新幹線に比べて安価だから』という理由が主です。一方で女性は価格よりも『女性専用席』や『こだわりのシート』を選択されるなど、安全性や快適性を重視する傾向にあります」(WILLER MARKETING マーケティング戦略グループ 藤光昭洋さん)
高速バスのハード面の進化は目覚ましく、寝顔をすっぽり覆うフードや、足元・隣の座席との広い空間、快眠シートなどを備えたバスはもはや珍しくない。一方で低スペック車両であれば東京・大阪間が4000円台~と、他の公共交通機関に比べて価格の選択肢が広いのも高速バスの特徴と言えるだろう。
「高付加価値を志向するバス会社も徐々に増えてきています。その分は価格に転嫁されますが、安価競争は負の連鎖しか生みません。各社が質やサービスで切磋琢磨することは、ひいてはお客さまの満足にも繋がると捉えています」(同)
■増えるビジネスパーソン利用、「運輸業ではなくサービス業」の意識で勝負
高速バスのハイスペック化を目指す会社は多く、近年は新幹線より乗車料金の高いラグジュアリーバスまで登場している。それに伴い、目覚ましく増えているのがビジネスパーソンの利用だ。
「お仕事前に疲れるのは当然避けたいでしょうし、高速バスの快適性の認知が広がっているとポジティブに捉えることもできます。ただ、おそらくはホテルの高騰により、従来の『新幹線+ホテル泊』から『夜行バス+0泊』に移行されている方も多いのではないかと思います」(藤光さん)
そうした“後ろ向き層”は、ホテル事情が落ち着けばまた新幹線に戻っていく可能性もある。利用層が広がった今は、一度その快適さや利便性を体験した人を、「いかにヘビーユーザーにできるか?」といった勝負どきに来ているようだ。
「ハード面の充実による快適性の追求は、どのバス会社も力を入れています。加えて私たちが特に注力しているのは、ホスピタリティやおもてなしといったソフト面を磨くこと。当社は運輸業ではなく、サービス業であるというのがスタッフ全員の共通認識です」(篠原さん)
現在、同社では接客経験のある若手人材を積極雇用。専用の研修施設で運転スキルを習得させることで、安全とサービスを両立したワンランク上のバス運転手の育成に努めているとか。
「バス業界全体で人手不足が深刻化しています。そもそもバス運転手には『キツい』『低賃金』といった暗い印象が付きまといがちでした。そこで、バス運転手のイメージを刷新するべく“ハイウェイパイロット”と呼称。給与の大幅引き上げも実現しました」(篠原さん)
当然、その原資はユーザーからの収益だ。「価格競争はしない」とも明言しているように、WILLERは決して激安バス会社ではないが、「ある推し活女子の方が『WILLERは課金対象』という言い方をしてくれたことが、とてもうれしかったですね」(篠原さん)と、その対価による価値はしっかりとユーザーに響いているようだ。
この春からは万博会場に直接乗り入れする路線を運行。バスをホテル代わりに「0泊3日万博」を実現している同社。若い女性が積極的に利用しているだけに、快適性や清潔感は保証済みといえるだろう。
ただ、とくに中高年層には、まだまだ当たり前のように新幹線を選ぶ人、先入観からバスを敬遠する人は多い。「ベンチマークするのは、バス会社ではなく新幹線」と語るとおり、推し活層や既存ユーザー以外をどこまで取り込めるか。高速バス・夜行バス業界は、さらなるステップアップの時期に来ているのかもしれない。
(文:児玉澄子)
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