新たな変形機構と躍動するボディ…シンカリオン「DXS」が“いまの形”で復活、新シリーズ「S…
タカラトミー マーケティング課・長沼豪さん

【動画】新幹線変形ロボ シンカリオン 特別ダイヤ版
■原点回帰で“遊びやすさ”刷新 変形はよりシンプルに
同玩具は、実在の新幹線をモチーフに、新幹線形態の「シンカンセンモード」からロボット形態の「シンカリオンモード」へと変形するのが特徴だ。シンカンセンモードではプラレールとして手転がしでも遊べるため、鉄道ファンとロボットファンの双方を惹きつけてきた。発売は2015年。2018年のテレビアニメ放送開始にあわせて、「DXS(デラックスシンカリオンシリーズ)」としてリニューアルされ、遊びの幅を広げてきた。
「今回、『新幹線変形ロボ シンカリオン 特別ダイヤ版』の放送にあわせて、従来の「DXS」シリーズを大きく見直しました。最大のポイントは可動域の拡大と可動箇所を増やしたことです。これまで難しかったポージングが可能になり、キメポーズや必殺技の再現、アニメさながらの立ち姿を楽しめるようになりました。また、変形をよりシンプルに行えるようにしたほか、シンカリオン2体を組み合わせる“リンク合体”も、できるようにしています」(タカラトミー マーケティング課・長沼豪さん/以下同)
テレビアニメは第1期から高い人気を獲得し、2019年には劇場版が公開。2021年にはテレビアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』、さらに2024年にはテレビアニメ『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』が放送されるなど、長期にわたり展開されてきた。その過程で、当初の中心ユーザーだった6~7歳の子どもたちも成長し、玩具もそれに応じて複雑化・高機能化してきた側面がある。
一方で、今回の新シリーズでは“原点回帰”を掲げる。構造や操作はあえてシンプルに見直し、子どもが直感的に遊べる設計を重視した。そのうえで、可動域の拡大など表現力は高めることで、「遊びやすさ」と「再現性」を両立させているのが特徴だ。
「変形はとにかくシンプルにしました。ただ簡単にしただけでなく、アニメのイメージにより近い変形を実現できるよう工夫しています。加えて、武器パーツなどをなくしてしまう、といった遊びの中で起こりがちなストレスも軽減できるよう配慮しました。安心して遊べることも大切にしています」
■可動域を大幅拡張 “アニメの動き”をそのまま再現
今回の進化を象徴するのが、可動域の大幅な拡張だ。ロボット玩具において「変形」は大きな魅力だが、子どもにとってもう一つの“夢”が、アニメと同じポーズを再現できることにある。劇中の動きが再現できなければ、遊びへの没入感が損なわれてしまう。
「アニメと同じ動きができないという“ノイズ”があると、どうしても気持ちが離れてしまう。そうならないよう、今回は可動域を大きく見直しました。手首やウエストの可動に加え、股関節は開脚や前後の動きが可能に。脚も大きく曲げられるようにし、足首も可動するため、立たせた際のポージングの再現性も高めています」
さらに、シリーズの特徴でもあるシンカリオンを2体合体させる“リンク合体”も重要視している。
「どの機体同士でも、自由な組み合わせで合体できる点を重視しました。シンカリオンは主人公機だけでなく、各地の新幹線をモチーフにしているため、それぞれにファンがいます。子どもたちにとっては、自分の街を走る新幹線こそが“主役”になる。その思いに応えるためにも、どの機体でもリンク合体が楽しめるよう、互換性と個性のバランスを丁寧に設計しました」
もっとも、互換性を優先しすぎれば、構造が均一化し、機体ごとの個性が薄れてしまう。そのバランス調整には苦労があったという。シンプルに遊べる設計と、多様な組み合わせを可能にする拡張性。この相反する要素をどう両立させるかが、今回の開発の要点でもあった。
■懐かしさも武器に パッケージは“あの頃”のまま
可動域の拡張に加えて、ディテール面もブラッシュアップされている。従来はモールド(凹み)で表現されていた窓などの造形は印刷で再現され、より実際の新幹線に近い外観に進化。この窓パーツはシンカリオンモードでは肩にあたる部分となるため、結果としてアニメのシンカリオンにより近い印象を生み出している。
そしてもう一つの特徴が、パッケージデザインだ。あえて刷新せず、当時のデザインを踏襲したオマージュ仕様を採用。側面に新幹線が走るあのビジュアルは、かつて店頭で胸を躍らせた記憶を呼び起こす。「パッケージが並んでいるだけで、懐かしさを感じてもらえたらうれしいですね」と長沼さんも語る。
「アニメ自体も、家族のつながりを感じられる作品です。今回の『新幹線変形ロボ シンカリオン 特別ダイヤ版』と新玩具を通じて、新幹線について親子で会話したり、一緒に楽しんだりするきっかけになればうれしい。そこから親子の関係や絆についても感じてもらえたらと思います」
10年という節目に打ち出された“原点回帰”は、単なる懐古にとどまらず、次の世代へと遊びと体験をつなぐための進化でもあると言えそうだ。
(取材・文/衣輪晋一)
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