トランプ氏、銃撃現場で演説 「死を目前にしても屈しない」
米共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)は5日、大統領選の接戦州の一つである東部ペンシルベニア州バトラーで大規模な選挙集会を開いた。7月に銃撃されて負傷した因縁の場所で「たとえ死を目前にしたとしても、私は決して屈しない。決して引き下がらない」などと演説し、暴力に屈しない姿勢を強調した。
11月5日の大統領選を1カ月後に控えて接戦が続く中、トランプ氏陣営は最重要州の一つで支持拡大をアピールした。
トランプ氏は7月13日夕、バトラーで演説中に銃撃を受け、右耳を負傷。聴衆の一部が巻き添えとなり、男性1人が死亡、2人が重傷を負った。容疑者は現場で射殺された。大統領警護隊(シークレットサービス)のチートル長官が警備の「失敗」を認めて辞任。トランプ氏の屋外集会では、演台の周りに防弾ガラスが設けられるなど警備強化策がとられるようになった。
トランプ氏は約1時間半にわたる演説の冒頭、銃撃事件で死亡した同州の消防士、コーリー・コンパートアさん(当時50歳)をたたえ、黙とう。銃撃現場に駆けつけた警察官や対狙撃手チームを称賛した。 そのうえで「(事件があった)12週間前、私たちは皆、米国のために身をていして戦った。我々は投票して、勝たなければならない」などと語り、返り咲きに向けて改めて投票を呼びかけた。
集会には、副大統領候補のバンス連邦上院議員や実業家のイーロン・マスク氏らも参加。トランプ氏への支持を7月に表明して以降、初めて選挙集会に参加したマスク氏は「向こう(民主党側)は言論の自由を奪おうとしている。彼らは武器を持つ権利を、投票する権利を奪おうとしている」などと主張。トランプ氏が銃撃された直後に叫んだ「戦え! 戦え! 戦え!」の言葉を引用したうえで、「投票! 投票! 投票!」と聴衆に呼びかけた。【バトラー西田進一郎】
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