LAタイムズ論説委員長が抗議辞任 「ハリス氏支持の表明できず」

2024/10/25 11:31 

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 米西部カリフォルニア州の地方紙ロサンゼルス・タイムズの論説委員長が、11月の米大統領選に向けてハリス副大統領を支持する社説が掲載できなかったとして辞任した。オーナーが特定候補の支持を明らかにしない方針を決めたことへの抗議だとしている。複数の米メディアが伝えた。

 ロサンゼルス・タイムズは2008年以降の大統領選で民主党候補を推してきた。

 論説委員長のマリエル・ガーザ氏は23日、米コロンビア大が発行する研究誌コロンビア・ジャーナリズム・レビューに対し、ハリス氏を支持する社説の草稿を用意していたが、オーナーのパトリック・スーン・シャン氏の意向で掲載できなかったと主張。「沈黙を続けることに納得できないとはっきりさせるために辞任した」と述べた。

 「危険な時代において、沈黙を守ることは単なる無関心ではなく、共犯だ」とする辞表も公開した。

 一方、オーナー側の説明は食い違う。スーン・シャン氏はX(ツイッター)で、論説委員会には各候補の政策を事実に基づいて分析することなどを求めたと説明。「論説委員会はこの道を採用する代わりに沈黙を選び、私はその決定を受け入れた」とした。資産家で医師のスーン・シャン氏はロサンゼルス・タイムズを18年に買収した。

 米国の新聞各紙は、社説などで支持候補を表明する。有力紙ニューヨーク・タイムズは9月、ハリス氏が「唯一の愛国的な選択肢だ」とする社説を掲載した。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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