アフガニスタン地震、支援物資不足で多くの被災者が野宿 発生1週間

2025/09/07 14:18 

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 アフガニスタン東部でマグニチュード(M)6・0の地震が発生してから7日で1週間となった。イスラム主義組織タリバン暫定政権によると、死者は2200人を超え、負傷者は約3600人に上る。各国からの支援は限定的とみられ、被災地では救援物資が不足するなど人道危機が深刻化しかねない状況だ。

 米地質調査所(USGS)によると、地震は現地時間8月31日深夜(日本時間9月1日早朝)に発生。震源はパキスタンとの国境に近いナンガルハル州の州都ジャララバードの東方27キロの位置で、パキスタンから帰還を強いられた難民が多く暮らすクナール州が甚大な被害を受けた。

 被災地では、水源の多くが損傷するなどライフラインに深刻な被害が報告されている。土砂崩れによってクナール州内の大部分の家屋が倒壊し、被災者の多くが野外で寝泊まりしているという。

 アフガニスタン国家災害管理局の幹部は毎日新聞の取材に対し、「我々は今、食料を含むあらゆる物資や資金の不足に直面している。将来的には住宅再建の問題にも直面するだろう」と指摘。当面の課題として、被災者の避難場所やテントの確保が必要だとした。

 各国からの支援については、日本や英国、オーストラリアなどが物資の提供や資金援助を表明している。しかし、支援の広がりが限られているとの指摘もある。

 ロイター通信は6日、アフガンの最大の援助国だった米国が4月にほぼすべての援助を停止しており、今回の地震でもトランプ政権は緊急支援の輸送を承認していないと報じた。人道支援団体による活動にも支障をきたしているとみられている。

 トム・フレッチャー国連事務次長(人道問題担当)は声明で、「(この地震は)人道支援の活動に不可欠な資源が縮小することによる代償を浮き彫りにしている」と強調。「今、資源が集まらなければさらなる命の喪失につながる」と警鐘を鳴らしている。【ニューデリー松本紫帆】

毎日新聞

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