習主席の「150歳まで生きられる」発言映像 中国TVが使用禁止に

2025/09/08 15:31 

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 ロイター通信は5日、中国の習近平国家主席(72)がロシアのプーチン大統領(72)との会話で「今世紀中に150歳まで生きられるようになるだろう」などと述べた様子を含む映像を削除した。映像を撮影した中国国営の中国中央テレビ(CCTV)から使用許諾を得て1000社以上の契約社に配信したが、CCTVから削除要求があったという。

 問題の映像は、3日に北京で開かれた「抗日戦争勝利80年」の記念行事の際のもの。その中の音声で、行事開始前に習氏は「今世紀中に150歳まで生きられるようになるだろう」などと述べ、プーチン氏は「不死さえも実現できる」と応じていた。

 映像はCCTVの撮影を元にロイターが4分間に編集し、世界に配信されていた。

 CCTVは5日、ロイターに対し「映像が編集された結果、事実がゆがめられた」として映像の削除を要求。使用許可も取り消されたため、ロイターは映像を削除し、契約社にも削除を要請した。一方で「報道した内容は正確だと確信している」としている。

 ロシア大統領府の発表によると、プーチン氏は3日の行事の後、記者団から「人類は本当に150歳まで生きられると思うか」と聞かれ「(習)主席がそれについて言及した。(イタリア元首相の)ベルルスコーニ氏もこの問題に熱心に取り組んでいた。最新の医療手段や、臓器移植を含む技術によって、活動的な生活を長く送れる希望が出ている」などと述べ、会話の内容を認めた。

 習氏は2013年に国家主席に就任し、現在3期目。憲法が2期10年までとしていた国家主席の任期を18年の改憲で撤廃した。プーチン氏も20年の改憲によって、最長で36年まで大統領を続けられるようにした。今回の「長寿談議」から、両氏にはさらなる長期政権が念頭にあるのではないかとの観測も一部で出ている。【ソウル福岡静哉】

毎日新聞

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