エルサレム郊外で銃撃 6人死亡、21人負傷 武装した2人組射殺

2025/09/08 19:34 

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 エルサレム郊外で8日、武装した2人組の男性による銃撃があり、少なくとも6人が死亡、21人が負傷した。地元メディアなどが報じた。2人はいずれもその場でイスラエルの治安関係者らにより射殺された。

 犯行声明は出ていないが、パレスチナ自治区ガザ地区の戦闘が続く中、パレスチナ系の武装組織が関与した可能性がある。

 AP通信などによると、現場はエルサレム北部の主要交差点付近で、イスラエルが東エルサレムに建設したユダヤ人入植地の一つに向かう道路上だった。2人組はヨルダン川西岸地区の出身者で、バスに乗り込んで発砲したとの情報もある。1人は車掌の格好をしていたという。現場周辺は朝の通勤時間帯で混雑していた。

 銃撃事件を受け、イスラエル軍は協力者がいないか捜索するため、現場周辺を封鎖した。また、西岸地区の主要都市ラマラ近郊も「テロを阻止するため包囲した」と明らかにした。一方、ガザ地区のイスラム組織ハマスは声明で「若者たちの不屈の精神と抵抗を高く評価する」と述べ、銃撃を称賛した。

 ハイム・シルベルスティンさん(65)は現場近くの職場に車で向かっていたところ、銃撃の音を聞いた。バス停周辺には多くの人がおり、逃げ惑う人たちで大混乱に陥ったという。「銃撃を聞いた瞬間、テロがあったのだと思った。我々はテロに対して弱さを見せず、報復しないといけない」と語った。

 イスラエルはガザ地区で激しい戦闘を続けているほか、西岸地区では入植地の建設を加速させている。AP通信によると、イスラエル領内と西岸地区では、2023年10月にガザの戦闘が始まって以降、今年7月までにイスラエル人49人がパレスチナ人に殺害された。イスラエルの治安部隊や入植者らにより殺害されたパレスチナ人は少なくとも968人に上っている。【カイロ金子淳、エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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