ハマス、ガザ市で徹底抗戦 「人質を発見できなくなる」と警告

2025/09/19 05:43 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスは18日、最大都市ガザ市で地上作戦を進めるイスラエル軍に対し「お前たちの兵士を地獄に送る用意はできている。これは勝利か殉教のためのジハード(聖戦)だ」と警告し、徹底抗戦の構えを示した。市内には少なくとも2000人の戦闘員がいるとみられ、市街地で激しいゲリラ戦を展開する可能性がある。

 ロイター通信などによると、イスラエル軍は数週間前からガザ市郊外で攻撃を強めていたが、15日夜から戦車隊や歩兵隊などが市内に入った。すでにガザ市東部を制圧しており、18日には中心部につながる二つの地域に戦車が侵攻した。今後、人口が密集する中部や西部に向けて前線を広げるとみられる。

 ハマスは18日の声明で、ガザ市制圧作戦はイスラエル軍にとって「激しい消耗戦」になると警告。さらに、拘束している人質は「ガザ市近郊に分散している」と述べ、軍事作戦の拡大は「人質を一人たりとも発見できなくなることを意味する」と強調した。ハマスは今も人質48人を拘束しているとされ、このうち約20人が生存しているとみられている。

 中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、ガザ地区では18日、少なくとも50人が死亡し、このうち40人はガザ市内で犠牲になった。電話やインターネットの遮断も続いており、地上戦の拡大への懸念が一層強まっている。一方、イスラエル軍は同日、ガザ地区南部で兵士4人が死亡したと発表した。

 また、イスラエル軍は18日、隣国レバノン南部でイスラム教シーア派組織ヒズボラを標的に大規模な空爆を行った。イスラエル軍とヒズボラの戦闘は昨年11月に停戦合意が結ばれたが、イスラエル軍はその後もレバノン国内に駐留し、空爆を続けている。レバノン軍によると、イスラエルによる停戦合意違反は4500件以上に上るという。【カイロ金子淳】

毎日新聞

国際

国際一覧>