トランプ氏、タイとカンボジア停戦に腐心 「合意」宣伝も両国と矛盾

2025/12/13 13:22 

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 トランプ米大統領は12日、国境地帯で戦闘を続けるタイとカンボジアの両首相と電話協議し、攻撃停止で合意したと明らかにした。自身のソーシャルメディアで「彼らは今日(12日)の夜をもってすべての攻撃を停止する」と説明した。

 ただ、タイとカンボジアの両首脳はともに停戦に否定的な見方を示しており、トランプ氏の主張と食い違っている。

 トランプ氏は投稿で、両国との電話協議について「非常に良い会話だった」と主張した。自身の仲介で10月にタイとカンボジアが和平合意に調印したことを念頭に、両国は「当初の和平合意に戻ることに同意した」とし、「平和と、米国との継続的な貿易に向けて準備ができている」とも記した。

 戦闘が再燃したことについては「当初に多くのタイ兵を死傷させた路肩爆弾は事故だった。しかし、タイは非常に強い報復に出た」と指摘し、タイ側への不満をにじませた。

 トランプ氏はこれまで、タイとカンボジアの停戦を含む「八つの戦争」を解決してきたと自賛しており、停戦の崩壊は避けたい事態だ。

 一方、タイのアヌティン首相は、トランプ氏との協議で「国民の生命や財産が損なわれるならば、タイは対応しなければならないと説明した」と述べ、停戦を否定した。カンボジアが和平合意に違反したと非難し、強硬な姿勢を改めて示した。

 カンボジアのフン・マネット首相もトランプ氏との協議後に「今回の発端となった7日の銃撃戦でどちらが先に発砲したか米国の情報収集能力を使って検証するよう提案した」と交流サイト(SNS)に投稿。カンボジア側の正当性を主張した。【ワシントン松井聡、バンコク武内彩】

毎日新聞

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