米特使とゼレンスキー氏が近く会談へ 和平案巡る交渉加速 米報道

2025/12/13 16:52 

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 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は12日、ロシアとウクライナの和平を仲介する米国のウィットコフ中東担当特使が近く、ウクライナのゼレンスキー大統領や欧州の首脳とドイツの首都ベルリンで会談すると報じた。当局者の話としている。米政権は年末までの合意を目指しているといい、米国主導の和平案を巡る関係国の交渉が加速している。

 WSJによると、ウクライナを支援する欧州からは、フランスのマクロン大統領、英国のスターマー首相、ドイツのメルツ首相が参加する。米政権はロシアが戦況で優位に立っていると見ており、ロシアに融和的な姿勢が顕著だ。とりわけウィットコフ氏は「ロシア寄り」と指摘されている。

 ウクライナや欧州の首脳は、ウィットコフ氏との会談を通じて、自らの要求を和平案に反映させるよう米側を説得したい考えとみられる。欧州側は当初、トランプ大統領本人との会談を希望していた。

 仏英独の首脳は10日にトランプ氏と電話協議している。WSJによると、トランプ氏は首脳に対し、ゼレンスキー氏に和平案を受け入れるよう圧力をかけるべきだと伝えた。協議は緊迫したやり取りになったという。早期合意を目指す米政権は、ウクライナに譲歩を迫る姿勢を鮮明にしており、ウクライナや欧州側がこれを押し戻せるかが焦点となっている。

 米ホワイトハウスのレビット報道官は11日の記者会見で「(トランプ氏は)会合のための会合にうんざりしている」と述べ、米政権として進展が見通せない会談への参加には慎重な姿勢を示していた。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

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