英博物館、アイヌ遺骨7体を返還 4体は約160年ぶりに故郷へ
ロンドンの自然史博物館は5日、研究目的で保管していたアイヌ民族の遺骨7体を日本に返還した。うち少なくとも4体は約160年ぶりの返還となった。同博物館で遺骨を受け取った北海道アイヌ協会の大川勝理事長は「長い年月、異国で過ごした先人たちの心を想像すると胸が詰まる。ようやく故郷に帰れることに安堵(あんど)していると思う。尊厳ある慰霊を続けていく」と語った。
アイヌ民族の遺骨は19世紀後半以降、人類学の研究などの目的で国内外に持ち出されたものが少なくない。墓から盗掘されるなど、倫理的に問題がある収集もあったとされる。
近年は遺骨を故郷に戻す取り組みが進み、海外からの返還はドイツ、オーストラリアに続いて3カ国目。英国では北部スコットランドのエディンバラ大も昨年4月に3体を返還している。返還された遺骨は、北海道白老町のアイヌ文化施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」に安置される。
自然史博物館にあった遺骨は寄贈されたものだが、発掘や寄贈の経緯・目的は不明だという。ただ、ダグラス・ガー館長は返還式典で「我々はコレクションの人骨の一部が現代では受け入れられない方法で入手されたことを認識している。(そうした手法に対する)姿勢や認識の変化を踏まえ、謙虚な思いで返還する」と述べた。
式典に出席した黄川田仁志アイヌ施策担当相は「遺骨の返還はアイヌの方々の誇りと尊厳を尊重する上で大変重要だと考え、(英側と)協議を進めてきた。今後も国内外に散逸した遺骨の引き渡しを進めるべく、専門家の協力も得ながら精力的に取り組んでいく」と話した。【ロンドン福永方人】
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