アイスランド 国民投票でEU加盟交渉再開、反対多数が確実と報道

2026/08/30 16:47 

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 北欧の島国アイスランドで29日、欧州連合(EU)との加盟交渉再開の是非を問う国民投票があった。国営放送は30日、「反対」が「賛成」を上回ることが確実になったと報じた。

 2009年の加盟申請後、13年の政権交代に伴いEUとの交渉を停止したが、欧州の共通通貨ユーロの導入による経済の安定を求める声や、国防の後ろ盾である米国のトランプ政権への不信感などにより、加盟を巡る議論が再燃していた。国民は独立路線の維持を選んだ。

 アイスランドの人口は約40万人。今回は18歳以上が投票した。「反対」が多いのは、EUに加盟すれば主要産業の一つである漁業の権利が制約されるとの懸念が強いことなどが要因とみられる。漁業権は国家主権の象徴と捉えられている。

 「反対」多数の結果になれば、欧州内のEU懐疑派が勢いづき「EU加盟は国家主権を損なうもので、魅力は低下している」といった主張に利用する可能性も指摘されている。

 アイスランドは09年、金融危機で国家破綻の危機に直面した反省から、国家防衛のためにEU加盟を申請した。交渉を進めたが、経済は回復。漁業権を巡るEU側との対立もあり、13年に発足したEU懐疑派の中道右派政権が交渉を停止した。

 ただ、EUと周辺国でつくる欧州経済地域(EEA)や「シェンゲン協定」には参加しており、EU単一市場での自由な経済活動や、EU域内などの自由な移動は保障されている。

 政府は当初、27年までの国民投票実施を公約していたが、前倒しした。背景には安全保障環境の変化もあるとみられる。

 軍隊を持たないアイスランドは米欧軍事同盟の北大西洋条約機構(NATO)に加盟し、2国間の防衛協定も結ぶ米国に主に国防を頼ってきた。

 だが、22年にウクライナへの全面侵攻に踏み切ったロシアの脅威が高まる中、トランプ米政権は欧州防衛に消極的で、アイスランドに近いデンマーク自治領グリーンランドの領有まで要求した。こうした状況を受け、防衛強化のためにEUに加盟すべきだとの声も上がっていた。

 また、自国通貨アイスランド・クローナが下落しやすく、高インフレなどに見舞われていることへの不満も、EU加盟支持派の論拠だった。

 EUは20年に英国が離脱し、現在の加盟国は27カ国。他にウクライナ、モルドバ、モンテネグロなど9カ国が加盟候補国となっている。【ロンドン福永方人】

毎日新聞

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