自民党役員・閣僚人事の検討本格化 石破新総裁、解散への準備も
自民党の石破茂総裁は28日、幹事長に森山裕総務会長、選対委員長に小泉進次郎元環境相、政調会長に小野寺五典元防衛相を起用する方針を固めた。副総裁には菅義偉前首相を充てる調整に入った。閣僚人事では林芳正官房長官を続投させる方針。このほか、総裁選で石破陣営の中核を担った岩屋毅元防衛相や赤沢亮正副財務相を入閣させる検討に入った。
石破氏は30日に新執行部を発足させる。10月1日召集の臨時国会で岸田文雄首相の後継となる第102代首相に指名された後、同日中に新内閣を発足させる考えで、党役員・閣僚人事の検討が本格化している。
関係者によると、石破氏は党四役のうち、残る総務会長について、総裁選で決選投票を戦った高市早苗経済安全保障担当相に打診したが固辞された。高市氏は「閣僚を打診されても受けるつもりはない」との立場で、自身を支援した議員の入閣を求める考えという。石破氏と良好な関係にあり、副総裁で調整中の菅氏については、菅氏本人の意向を踏まえて最終判断する。
このほか、公明党の斉藤鉄夫国土交通相は続投させる方向で調整中。官房副長官には、総裁選で石破陣営を支えた橘慶一郎元副復興相と青木一彦元副国交相を起用する調整に入った。
森山氏は鹿児島市議から国政に転じ、参院当選1回、衆院当選7回。安倍晋三、菅両政権下で国対委員長を歴代最長の4年超にわたって務めた。その後の岸田政権では、2022年8月に選対委員長に就任し、衆院小選挙区定数「10増10減」に伴う候補者調整に当たるなどした。菅氏に近く、与野党に幅広いパイプを持つ。
小泉氏は総裁選で3位に終わったが、決選投票では石破氏を支持したとみられる。小泉氏は総裁選で「石破氏は議員の中でもいろいろな接点がある。魅力がある」などと語っていた。
石破、小泉両氏は21年総裁選で、河野太郎デジタル相とともに「小石河連合」として連携したこともある。石破氏周辺からは「選挙の顔」として小泉氏に期待する声が上がっていた。
小泉氏は09年衆院選で初当選し、当選5回。党青年局長、党厚生労働部会長、環境相などを歴任し、現在は衆院安全保障委員長。父は小泉純一郎元首相。
石破氏は早期の衆院解散・総選挙の意向も示しており、準備を加速させる方針だ。28日には衆院選用のポスター撮影に臨んだ。【川口峻、小田中大、竹内望】
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