衆院選ラストサンデー 与野党党首が列島各地で舌戦展開

2024/10/20 19:59 

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 衆院選(27日投開票)は20日、選挙期間中で唯一となる日曜日を迎え、与野党党首が全国各地の重点地区に入った。自民党派閥による裏金事件を受けた政治改革や物価高などに対応する経済政策をめぐり舌戦が繰り広げられた。

 石破茂首相(自民党総裁)は、日本維新の会が強い地盤を持つ近畿地方を遊説した。大阪府や兵庫県では公明党の山口那津男前代表とそろって演説。堺市では衆院選後に決める2024年度補正予算案に触れたうえで「国民生活が片時も困らないような責任ある政治をするのは自民党であり、公明党だ」と強調。自公連立政権の継続を訴えた。

 公明の石井啓一代表は埼玉県三郷市での街頭演説で「物価高をなんとかしてほしいとの声が寄せられる。ガソリンなどの燃料費補助はぜひ続けていきたい」と表明。最低賃金の引き上げや中小企業への支援拡充も訴えた。

 立憲民主党の野田佳彦代表は、東京都内の接戦区を回った。裏金事件で自民から非公認になった前議員が出馬した板橋区では「今回の選挙は裏金隠し解散だ。税金の使い道を決める国会で脱税のようなことをやった人がたくさんいる。それでは政治への信頼は取り戻せない」と自民の裏金事件を強く批判した。

 維新の馬場伸幸代表は愛媛県今治市での演説で、消費税減税や医療費圧縮による社会保険料の引き下げ、教育無償化を主張。「経済を大きくして税収を増やし、高齢者や社会的弱者に新たな行政サービスを提供する」と述べた。

 共産党の田村智子委員長は盛岡市での演説で1日7時間、週35時間労働制の実現を訴え、「本当に人を大切にする働き方を作っていきたい」と主張。「最低保障年金」の導入による年金の底上げや、予算増による社会保障の充実を訴えた。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は京都市での演説で「政治の役割は国民の懐を豊かにすることだ。減税と社会保険料引き下げ、ガソリン代や電気代といった生活コストの引き下げで、皆さんの手取りを増やしたい」と語った。れいわ新選組の山本太郎代表や社民党の福島瑞穂党首、参政党の神谷宗幣代表もそれぞれ支持拡大を訴えた。【野間口陽、源馬のぞみ、内田帆ノ佳】

毎日新聞

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