「首相だけのせいじゃない」 参院選大敗後に内閣支持率上昇の「怪」

2025/08/08 11:30 

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 毎日新聞が7月26、27日実施した全国世論調査で、石破内閣の支持率は29%で6月から5ポイント増となり、次期首相に誰がふさわしいか尋ねた質問でも石破茂首相が20%でトップだった。参院選で与党は改選議席を大幅に落とし、参院全体の過半数を割り込む大敗を喫したにもかかわらずの上昇と続投の声。矛盾するような結果になぜなったのか。

 参院選後、自民党内からは石破首相(党総裁)の責任を問う声が噴出した。党青年局は7月25日、緊急の申し入れ書を森山裕幹事長に提出し、首相ら党執行部に対して早期に責任を取るよう要求。石破首相は続投に意欲を示しているが、同28日にあった両院議員懇談会では首相に早期退陣を求める意見が相次いだ。

 ところが、世論調査では石破首相が辞任すべきかを尋ねたところ、「辞任する必要はない」が33%あった。「辞任すべきだ」(42%)を下回ったものの、支持率以上の割合で続投容認の意見があることになる。

 この質問の回答理由について自由に書いてもらったところ、「辞任すべきだ」で多かった理由は「選挙で負けた責任を取るべきだ」という指摘だ。「衆議院、参議院選挙での過半数割れは民意だ」(60代男性)、「最終責任を取るために首相というポストはある」(30代男性)などの意見が相次ぎ、「辞任しないなら民意を聞いていないことと同値」(20代女性)という厳しいものもあった。

 また、石破首相は、2007年参院選で自公両党が参院の過半数を割る敗北を喫した際、安倍晋三首相(当時)の続投を批判したほか、09年には東京都議選で自民が敗北後、麻生太郎首相(当時)にも退陣を求めており、「過去の石破氏自身の発言にも反する。筋を通すべきだ」(50代女性)などの意見も少なくなかった。

 これに対し、「辞任する必要はない」の理由では、「誰がしても変わらない」(40代女性)、「他によい人がいない」(10代男性)など消極的なものがある一方、選挙の敗北は「政党全体のせいで、首相だけのせいではない」(50代女性)という主張が目立った。【野原大輔、大隈慎吾】

毎日新聞

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