三笠宮妃百合子さま逝去 101歳 皇室最高齢、宮家を支え
三笠宮妃百合子(ゆりこ)さまが15日午前6時32分、老衰のため入院先の聖路加国際病院(東京都中央区)で亡くなられた。101歳。現在の皇室の最高齢だった。昭和天皇の末弟で上皇さまの叔父にあたる夫の三笠宮さまが2016年10月27日に100歳で亡くなってからは、当主として宮家を支えた。
宮内庁は15日午前11時から、永井良三皇室医務主管と諸橋省明宮務主管が記者会見し、逝去までの経過を説明した。先週まで百合子さまはベッドから車椅子に乗り移ってリハビリに取り組んでいたが、7日の検査で心臓や腎臓など全身の機能が低下していることが判明した。今週に入って声がけに目を開けてうなずくことは少なくなり、15日早朝から血圧が低下し、死去した。
百合子さまは高木正得(まさなり)子爵夫妻の次女として、1923(大正12)年6月4日に生まれた。女子学習院本科を卒業した41(昭和16)年に三笠宮さまと結婚した。
3男2女をもうけたが、02年に三男高円宮さま、12年に長男寛仁(ともひと)さま、14年に次男桂宮さまを亡くした。長女甯子(やすこ)さん(80)は日本赤十字社社長を務めた近衛忠煇さん(85)と、次女容子(まさこ)さん(73)は、茶道裏千家第十六代家元の千宗室さん(68)と結婚した。
孫では寛仁さまの長女彬子さま(42)、次女瑶子さま(41)、高円宮家の長女承子さま(38)の3人が皇族として活動している。
百合子さまは、古代オリエント史の研究を続けた三笠宮さまを支えたほか、恩賜財団母子愛育会の総裁や、民族衣裳(いしょう)文化普及協会の名誉総裁などを務めた。
92年に持病の胆石の治療のため手術を受けた。99年に狭心症と不整脈と診断されて以降、心臓ペースメーカーを付けていた。07年に大腸がんが見つかり、手術を受けた。20年9月には心不全と診断された。
24年3月には軽い脳梗塞(こうそく)と誤えん性肺炎の診断を受け、聖路加国際病院に入院し、療養を続けていた。
ここ数年は車椅子を使っての生活を送っており、公的な場に姿を見せることは少なかったが、19年春の皇位継承に関わる儀式に出席した。皇居で23年1月にあった新年一般参賀では、宮殿・長和殿のベランダで集まった人々の祝意に手を振って応えた。【高島博之、山田奈緒】
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