担い手減る梨産地を何とかしたい 次世代への思い 農業記録賞
第52回毎日農業記録賞(毎日新聞社主催)で、佐賀県伊万里市南波多町大川原、前田有美さん(50)の「梨でつながる次世代農業を目指して」が一般部門の最優秀賞(全国で6編)に輝いた。前田さんに梨作りへの思いを聞いた。【西脇真一】
実家は福岡市で父は縫製業、母は看護師と農業とは無縁だった。短大を出て介護士として働いていたが、伊万里で梨と米の農家を継いでいた夫正照さん(60)と結婚したことが大きな転機となった。
「農業はせんでよかよ」と言われていたが、義父の病気を機に27歳で就農。子供の頃から自然に親しみ、学生時代は「食」を通じて関心を深めていた。
とはいえ、実際にやってみるのは「本当に大変だった」。梨は春の授粉、初夏の摘果や袋かけ、夏から秋にかけて続く収穫、冬の間の剪定(せんてい)や土作りなどの作業がある。「反省を元に技術を試せるのは1年に1回。技術あっての経営だが、経営を作っていくのは長い年数がかかった」と振り返る。
複式簿記の講習に通う一方、父に経営のアドバイスを受け、融資の借り換えに取り組んだ日々も。「いろいろ試して失敗して、失敗してやった結果。思うようにいかず、涙することもいっぱいあった」
支えになったのが梨作りの仲間たち。「皆で話していると、知恵が集まる。それが楽しい」。剪定(せんてい)技術も「枝がこう育ててくれと言っているように見える」までになった。
夫婦で梨約110アール、米約70アールを栽培。正照さんは「何の面でもよう頑張る人。自分一人ではとてもしきらんかった」と評する。後継者はいないが「ここまで頑張ってきたのにもったいない。担い手が減る梨産地を何とかしたい」との思いから、第三者による事業継承を希望する。娘は2人。好きな言葉は「為(な)せば成る」
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県内からの他の受賞者は次の通り。(敬称略)
【高校生部門】入選=山田剛旗(唐津南2)▽岩本一訊(いしん)(同3)▽木室和斗(よしと)(佐賀農2)▽徳島亨介(高志館2)
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