５０歳以上の棋士による将棋の第２回達人戦（立飛ホールディングス特別協賛）本戦の準決勝と決勝が４日、東京都立川市であり、決勝で丸山忠久九段（５４）が行方尚史九段（５０）を破り、初優勝を果たした。丸山九段は昨年の銀河戦で藤井聡太名人（２２）を破って以来の棋戦優勝。行方九段は１６年ぶりの棋戦優勝を逃した。

　丸山九段は、３日の準々決勝で増田裕司七段（５３）に敗勢に追い込まれながらも逆転勝ち。４日の準決勝でも森内俊之九段（５４）に逆転勝ちし、羽生善治九段（５４）に敗れて準優勝に終わった前回に続いて決勝に進出した。

　一方、５０代になって初めて達人戦出場資格を得た行方九段は、１回戦で前回優勝の羽生九段を破り、準決勝で佐藤康光九段（５５）との熱戦を制して決勝に進んだ。

　決勝では先手番となった丸山九段が積極的に攻撃を仕掛け、行方九段が応戦して際どい勝負になったが、丸山九段が終盤力を発揮して競り勝った。

　終局後、丸山九段は「昨年とメンバーが変わったので新鮮な気持ちで指せた。優勝できたのはうれしい。達人戦の相手は何局も指している人なので、手の内が分かる。まだまだ達人というには遠いが、達人を目指してこれからも研さんしていきたい」と満面の笑みを見せた。【丸山進】