一力、3連覇に王手 冷静な打ち回しで振り切る 本因坊戦第2局

2025/05/25 20:27 

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 一力遼本因坊(27)に芝野虎丸十段(25)が挑戦する第80期本因坊決定戦五番勝負の第2局(毎日新聞社・日本棋院・関西棋院主催、大和証券グループ特別協賛、本因坊戦能代市開催実行委員会協力)が25日、秋田県能代市の旧料亭金勇(かねゆう)で打たれ、同日午後6時11分、一力本因坊が225手で黒番中押し勝ちした。一力本因坊は連勝で3連覇まであと1勝とした。持ち時間各3時間のうち、残り時間は一力本因坊1分、芝野十段1分。第3局は6月6日、大阪府守口市のホテルアゴーラ大阪守口で打たれる。

 旧料亭金勇での本因坊戦は2期ぶり6回目。天然秋田杉の殿堂とも称される歴史的建築物で、国登録有形文化財となっている。

 25日午前10時前、両対局者が110畳の広さを誇る対局室に入室。立会の高尾紳路九段の掛け声で対局が始まった。序盤から前例のない布石となり、両者少考を重ねながらの読み合いとなる。中盤、上辺から右辺での競り合いとなった後、一力本因坊が16分を投じて黒123切りの最強手を放ち、リードを広げる。終盤、芝野十段が右下や左下の黒石を取り掛けにいったものの、一力本因坊が冷静な打ち回しでシノいで振り切った。

 解説の横塚力七段は「一力本因坊のシノギ、芝野十段の攻めというお互いの持ち味が存分に発揮された碁で、どちらが勝ってもおかしくなかった。難解な碁を勝ち切った一力本因坊の強さが際立ちました」と話した。【武内亮、最上聡】

 ◇一力本因坊の話

 実戦の進行で正しかったか、判断が難しかった。勝ちを意識したのは最後の最後。第3局まで少し間隔があるので、しっかり準備したい。

 ◇芝野十段の話

 昼食前あたり、実戦の石を取られる打ち方では形勢を大変にした。終盤も好機は来なかったと思う。星は気にせず、次も頑張りたい。

毎日新聞

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