日本ボクシングコミッション、職員5人が手当数百万円を不正受給か

2025/05/26 06:00 

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 国内プロボクシングの統括機関である一般財団法人日本ボクシングコミッション(JBC)の事務局の男性職員5人が5年以上にわたり、職場のタイムカードを不正に操作し休日出勤手当を水増しして受け取っていた疑いがあることが、関係者への取材で判明した。JBCが全容を調査しており、不正受給の総額は数百万円に及ぶ見込みという。

 関係者によると、事務局の職員9人のうち5人が結託し、土日や祝日に試合の前日計量に携わるために出勤した際、自分のタイムカードに加えて不在の職員数人分を打刻▽職場に最後に残った職員が退出時にその場に不在の職員数人分のタイムカードも押す――などといった方法で、勤務時間を水増ししていたという。

 土日や祝日は出勤職員が少ないため、不正行為を他の職員に発見されにくかったとみられる。タイムカードの記録が残る5年前には不正行為が始まっていた可能性が高いという。

 今年2月下旬、一人で数人分のタイムカードを打刻する様子を目撃した職員の内部通報で発覚した。JBCは5人を3月下旬から自宅待機としている。その中には、世界タイトルマッチのレフェリーやジャッジとして経験豊富な60代職員、リングアナウンサーとして有名な50代職員らが含まれている。

 JBCは内部調査で、一人で数人分のタイムカードを打刻している職場の映像や、「タイムカードを押しておきました」「ありがとう」といったメールのやりとりなどを確認。彼らの大半はJBCの調査に対して不正を認めているが、一部は否認しているという。

 JBCは調査結果を踏まえて5人を懲戒処分とする方向で進めている。不正に受給した手当の返還を求め、応じない場合は詐欺容疑で刑事告訴する方針だ。【来住哲司】

毎日新聞

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