花火大会や夏祭り…「夏の風物詩」に異変 猛暑で相次ぐ日程変更
花火大会や夏祭り、お盆の伝統行事……そんな日本の「夏の風物詩」に異変が起きている。気候変動に伴う近年の猛暑を受け、大小さまざまな夏のイベントが春や秋の開催に変更されているのだ。一方、祭りの特性上、日程変更が難しいケースもある。
◇夏は浴衣で花火大会…はもう無理?
約100年の歴史を誇る東京都足立区の花火大会「足立の花火」は例年7月下旬だった開催日を今年は5月31日に変えた。
昨年は夕方からの突然の雷雨で、開始直前に中止に追い込まれた。日程変更は荒天による中止リスクを避けるねらいもあるが、「それ以上に深刻なのは猛暑」と近藤弥生区長は区のホームページで説明する。
昨年の開催日当日の気温は、日中は午前7時に30度、同10時すぎに35度を超えた。熱中症で救急搬送される警備員がいたほか、体調不良を訴える来場者も続出。主会場が河川敷ゆえ日差しを遮る場所も少なく、花火師や職員ら早朝から作業に当たる関係者の負担は尋常ではない。
近藤区長は「『花火は夏の風物詩、夏に開催してこそ』という声もある」としつつ、「最近の夏は浴衣を着て、うちわで涼をとりながら花火を眺めるというかつての『日本の夏』とはすっかり様変わりした」と理解を求めた。
足立区観光交流協会の担当者は「『今年は小さい子を連れていける』など好意的な声が多い」と話す。
◇「伝統を残すため…」
地方の伝統行事も変更に踏み切っている。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産「山・鉾(ほこ)・屋台行事」の一つ、三重県四日市市富田地区の「鳥出(とりで)神社の鯨船(くじらぶね)行事」は8月14、15日だった開催日程を、今年は9月27、28日に変更する。
船の形をした山車を引き回し、捕鯨をまねる奇祭で江戸時代から続く。裏方を含めた100人近い参加者は、地域の高齢化で今や半数近くが60歳以上だ。一方、山車に乗りクジラを仕留める「羽刺し」などは小学生が担う。
市からミスト噴霧機を借りるなど可能な対策はしてきたが、「万が一の事態が起きてからでは遅い」と日程変更を決めた。
お盆ではなくなるため、9月23日に鳥出神社で行われてきた「ガニ祭り」という例祭の奉納行事として実施する。地元関係者や文化庁との調整役に回った富田鯨船保存会連合会の加藤正彦会長(70)は「伝統を残すための変更」と話し、周知や人手確保に努める。
◇全国でも相次ぐ日程変更
東北地方では、騎馬武者が出場する福島県相馬地方の「相馬野馬追(そうまのまおい)」が昨年から、7月だった開催日程を5月に変更した。2023年7月の開催中に馬が日射病で死ぬなどし、人馬の安全を最優先にした。
九州地方でも今年は夏祭りの日程変更が相次ぐ。北九州市の「わっしょい百万夏まつり」が8月から9月に、佐賀市の「佐賀城下栄の国まつり」も8月から5月31日~6月1日にそれぞれ変更された。
◇「さすがに変更は…」
一方、対応が難しいのが7月7日前後にある「七夕まつり」だ。日程変更すると「七夕」ではなくなってしまう。
高さ10メートル近い七夕飾りが商店街を彩る神奈川県平塚市の「湘南ひらつか七夕まつり」は、新型コロナウイルス禍前の19年までは延べ150万人前後が来場していたが、23、24年は約110万人で、猛暑の影響もささやかれる。
実際、日中のパレードの参加を見送る保育園・幼稚園児や見物を自粛する年配の客もいるという。
市商業観光課は「節句の一つなのでさすがに変更は検討していない」とし、今年から暑さ対策でミストファンを設置するという。【尾崎修二】
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