原爆死没者名簿、記帳始まる 大川さん、元市職員以外で初めて担当

2025/06/02 18:09 

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 8月6日に広島市で開かれる平和記念式典で原爆慰霊碑に奉納される原爆死没者名簿の記帳が2日、市役所で始まった。昨年8月6日以降の1年間に死亡が確認された被爆者の氏名など、2日現在で2222人分の記載が予定されている。

 昨年まで30年以上にわたって担当してきた被爆者の池亀和子さんが昨年8月、82歳で亡くなったため、今年新たに被爆者の大川純子さん(83)が選ばれた。大川さんは、被爆者で元市職員の中本信子さん(82)とともに死没者名簿に手を合わせて筆を執り、丁寧に記していった。記帳は式典前日の8月5日まで続く。

 爆心地から約4キロで被爆したという大川さんは「緊張で手が震えたが、亡くなった人のことを思い、しっかり書いた」と話した。記帳を担当するのは大川さんが15人目で、市職員経験者以外では初めてという。今年で25年目となる中本さんは「池亀さんの思いを引き継ぎ、世界平和を願って丁寧に書きたい」と語った。【武市智菜実】

毎日新聞

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