化学機械メーカー「大川原化工機」（横浜市）の冤罪（えんざい）事件を巡り、警視庁と東京地検の捜査を違法と認定した東京高裁判決が確定したことを受け、警察庁の楠芳伸長官は１２日の定例記者会見で、「原告の方々をはじめとする当事者に多大なるご心労、ご負担をおかけし、国民の信頼を損ねたことは極めて遺憾であり、警察庁としても重く受け止めている」と述べた。

　楠長官は「警察の活動は国民の信頼の上に成り立っており、今後、警察の公安部門の捜査において、二度とこのようなことのないようにする必要があると考えている」と言及。警視庁の検証についても警察庁で必要な監督をし、警察庁としても捜査上の留意点や再発防止策を取りまとめ、全国の警察への指導を強化していく考えを述べた。【山崎征克】