光った土壇場の粘り JFE東日本、不屈の精神 都市対抗南関東2次

2025/06/12 18:20 

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 ◇第96回都市対抗野球大会南関東2次予選・第2代表決定戦(12日、千葉県野球場)

 ◇○JFE東日本8―5テイ・エステック●(JFE東日本は2年連続27回目の出場)

 試合後、JFE東日本の落合成紀監督はスタンドを見上げ、涙を拭った。「苦しかった。奇跡って本当に起きるんだなと」。2度リードされても諦めない粘り強さを発揮し、代表権を手にした。

 真骨頂は相手に2者連続本塁打を許し、2点をリードされた直後の九回。内野安打や四球でしぶとくつなぎ、1死満塁の好機を作った。

 途中出場の8番・志賀巧朗は「頭だけは冷静にいようと。狙い球を絞って打席に入りました」。狙い通りのカットボールを仕留め、左前への同点2点適時打とした。

 土壇場で延長タイブレークに持ちこむと、十回には3者連続適時打と犠飛で4点を加え、突き放した。

 2次予選を通して、JFE東日本は勝利への執念を見せ続けた。初戦のオールフロンティア戦では、4点を追う九回に満塁本塁打が飛び出し、劇的なサヨナラ勝ち。8日の日本製鉄かずさマジック戦でも八回に逆転し、代表決定戦にこぎつけた。

 チームは4月上旬、ノロウイルスで多数の体調不良者が出て、JABA静岡大会を棄権するアクシデントに見舞われた。調整に苦しむ期間が続いたが、落合監督は「そこからもう一段ギアを上げて、諦めずにここまで来てくれた」と選手たちをたたえる。逆境にも負けない不屈の精神で東京ドームへの道を切り開いた。【下河辺果歩】

毎日新聞

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