「未来をもがれた」 危険ドラッグ車にはねられ娘を失った両親の訴え
「私たちは未来をもがれた。人を恨んで生きていくのは苦しい」――。2014年冬、危険ドラッグを吸引した運転手の車にはねられ亡くなった香川県善通寺市の小学5年生、秋山実久(みく)さん(当時11歳)の両親の講演会(かがわ被害者支援センターなど主催)が5日、高松市の県社会福祉総合センターであった。今も続く悲しみを切々と訴える父隆志さん(55)、母裕紀子さん(53)の話に、約170人が聴き入った。
実久さんは14年1月29日夕、徒歩で下校中、友達と別れた直後に車にはねられた。連絡を受けた隆志さんが駆け付けた時には、実久さんは血まみれで心肺停止の状態だった。一方、エアバッグとシートベルトに守られた男に大声で呼びかけるも、無表情で身動きもしなかった。男が直前に危険ドラッグを吸引していたことが、後に分かった。
懸命の蘇生措置で心臓が再び動き出した実久さんは、病院に搬送後に緊急手術を受けた。だが、脳外科の医師の「ああ、もう植物人間やな」という発言に傷ついた。さらに主治医からは「臓器提供を考えていただけませんか」と求められたが、到底受け入れられなかったという。
両親の呼び掛けに、力を振り絞ってまばたきを2回して涙をこぼした実久さん。しかし、反応があったのはそれが最後で、同年2月7日に息を引き取った。治療中の病院に男の妻と母親が訪ねてきて、泣きながら土下座して謝罪したが、その後は一度も謝罪の言葉は無いという。
裁判で危険運転致死罪に問われた男には後に、懲役12年が確定した。男からは真の反省は感じられず、悲しみや苦しみは続いているという。裕紀子さんは「(男の)人間としての感情が知りたかった」と胸の内を明かす。
同県三木町のソーシャルワーカー、竹井美季さん(45)は「私も小学生の娘を持つ身で涙が止まらなかった」と話していた。【広田正人】
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