「安全運転管理者」不選任疑い 廃品回収会社を書類送検 警視庁

2025/06/24 11:24 

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 東京都板橋区の首都高速道路で4月、トラックに追突された乗用車の2歳児が死亡した事故があり、警視庁交通捜査課は24日、安全運転管理者を置かなかったとして、トラックの運転手が勤務する廃品回収会社「ゴン」(埼玉県戸田市)の男性社長(38)=東京都足立区=と、法人としての同社を道路交通法違反(安全運転管理者の不選任)の疑いで書類送検した。起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。

 道交法は、業務で使う車両が5台以上の事業所に、点呼や酒気帯びの有無の確認、安全運転の指導などをする「安全運転管理者」の選任を義務付けている。

 事故は4月19日午前10時10分ごろ、首都高5号池袋線上りで発生した。仲本大河被告(28)=自動車運転処罰法違反(過失致死傷)で起訴=が運転するトラックが、渋滞で速度を落とした乗用車に追突。乗用車に乗っていた埼玉県所沢市の福田悠人ちゃん(当時2歳)が死亡、両親と姉が重軽傷を負い、巻き込まれた別の乗用車の2人も軽傷を負った。

 書類送検容疑は、2024年9月~25年5月、産業廃棄物の運搬業で貨物車を5台以上使用していたが、安全運転管理者を選任しなかったとしている。社長は容疑を認めているという。

 警視庁によると、同社は受注した仕事の内容をオンライン上のカレンダーで従業員と共有。仲本被告は運転中にスマートフォンで予定をチェックしていて事故を起こしたとされ、安全指導が徹底されていなかった。

 千葉県八街市で21年にあった児童5人死傷事故を受け、安全運転管理者を選任していない事業者への罰則は、22年10月に罰金5万円以下から50万円以下に引き上げられた。【菅野蘭】

毎日新聞

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