フジHD退任の日枝氏に退職金 「過去の決議否定する法的根拠ない」

2025/06/25 21:16 

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 フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)が25日、東京都内で株主総会を開き、清水賢治専務らを取締役とする人事案が承認された。その後、取締役会を経て就任した清水新社長は記者会見で、同日付で取締役相談役を退任した日枝久氏への退職金支給について「(支給を決めた)過去の決議を否定するだけの法的根拠はない」と述べた。報道陣との主な一問一答は以下の通り。【山口智、松原由佳】

 ――退任された役員の中で唯一日枝さんに退職金を支払うのはどういった意図があるのか。

 ◆(清水氏)フジHDでは退職慰労金制度は2008年に廃止したが、それまで勤めていた人たちへの支給が株主総会で決議されている。この過去の決議を否定するだけの法的根拠はない。

 ――日枝氏にトータルでいくらぐらいの退職慰労金を支払うことになるのか。

 ◆個別の退職金の金額についての開示はしていない。

 ――日枝氏が相談役を名実ともに退任された。(清水社長は)あくまで個人的にはと前置きした上で何かコメントがあってもよかったのではとおっしゃった。

 ◆会社としてのコメントは、私どもが代表してやっているのでそれでいいと思う。個人的には、これだけ長く務めた方で、何かしらの心情とか今の時代について思うこととかあるんだろうなと思うし、そういうことを皆さん聞きたい人も多いのではないかと思い、「何かしらのコメントがあっても」と思った次第だ。

 ――フジテレビの企業の文化を支えてきた日枝氏に対してどう感じているか。

 ◆やはり1980年代のフジテレビの躍進は功績だったと思う。これは「楽しくなければテレビじゃない」とのスローガンとともに果たした役割は大きかったと思う。

 ただ、ここに至るまでの間で「楽しくなければ」ということを、「何らかの犠牲があってもいいんじゃないか」と曲解した人たちが出てきてしまった。

 今あえて我々はそれを否定すべきだと思っている。このようなさまざまな問題が起こったことについては、やはり何らかの責任があるのではないか。

毎日新聞

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