いとこは柔道金兄妹 日本製鉄瀬戸内・広田が殊勲打 都市対抗2次

2025/06/25 21:54 

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 ◇第96回都市対抗野球大会近畿2次予選・第3代表決定戦(25日・わかさスタジアム京都)

 ◇○日本製鉄瀬戸内―パナソニック●

(日本製鉄瀬戸内は2年連続34回目)

 成長を示す一振りだった。日本製鉄瀬戸内の7番・広田太陽が二回に放った右越え先制ソロ本塁打。「公式戦で打つのは人生初かもしれない」という一発で試合を動かした。

 二回無死。1ボール2ストライクから、右腕・柿本晟弥の甘い変化球を引っ張った。柵越えを見届けると、2度、3度と人さし指を突き上げた。五回には中前適時打を放ち、複数安打をマークした。

 広田は京都・立命館高、立命館大を経て入社3年目。インタビューを受けると口にするエピソードがある。柔道オリンピック金メダリストの阿部一二三、詩のきょうだいがいとこなのだ。サービス精神旺盛で「僕が活躍したら使ってください」と話していた。

 一二三は3学年上、詩は同学年。ともに関西に住み、幼い頃から仲が良かった。立場は違えど、ともに勝負の世界に生きる者として「他人にばかにされるぐらいやれ」と猛練習の大切さを説かれた。

 いとこたちからの「金言」に従い、入社後は筋力トレーニングなどでよく汗を流し、細身ながら筋肉質の体を作り上げた。俊足の印象があるが、「遠くに飛ばす練習をしてきた」と打力にも磨きをかけた。いまやチームに欠かせない存在だ。

 チームは昨季「広畑」から名称を改め、5年ぶりの本大会出場を果たした。今季は厚みを増した戦力で、常勝へのステップを踏み出す。【石川裕士】

毎日新聞

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