「組織に石を投げた」 有森裕子さん、日本陸連会長に立候補した理由
日本陸上競技連盟は25日の理事会で、オリンピック女子マラソン2大会連続メダリストの有森裕子さん(58)を新会長に選出した。
日本陸連によると、女性、五輪経験者の会長就任は初めて。
有森さんは記者会見で、会長に「立候補した」と明かした。
過去の行動から「自分は組織に石を投げた」と率直に振り返りながら、あえて自ら手を挙げた理由を語った。【岩壁峻】
五輪で活躍した一方で、有森さんは1996年にプロ宣言した。選手の商業活動の自由を巡る議論は、日本オリンピック委員会(JOC)、日本陸連を巻き込んだ。
アマチュア選手のプロ化の流れを作った意義のある行動となったが、「当時のことを考えると、このような形で陸上界に戻るとはみじんも考えていなかった」と話す。
2007年から日本陸連の理事を務めたが、1期で離れた。
その後は、知的障害者にスポーツの機会を提供するスペシャルオリンピックスの日本組織の理事長を務めるなど、陸上以外での活動が中心だった。
17年に日本陸連の理事に再任すると、21年からは副会長を務め、陸上界での活動が増えてきた。
さらに日本陸連会長に立とうという思いを募らせたのは、最近のトラック、フィールド種目の飛躍が背景にあるという。
有森さんは自身がメダルを獲得した92年バルセロナ、96年アトランタ五輪当時に思いをはせた。
「マラソンは成績が良かったし、とっても(競技環境が)ありがたかった。でも、短距離などトラック種目は見向きもされない時代を過ごしていた」
それが今では、男子の短距離種目で世界選手権の決勝進出者が現れただけでなく、24年パリ五輪では女子やり投げで北口榛花選手が金メダルを獲得した。
「とても大変だった時代を知っている当時の選手たちが選手強化を担当している。私は陸上選手と言いながらも、陸上(全体)のことをほとんど知らなかった。腐らずに自分たちの種目を支えてきた彼ら(指導者たち)を応援したかった。タッグを組まないでどうするのか、と奮起した」
記者会見で、有森さんは時折言葉を詰まらせ、思いを述べた。
カンボジアの対人地雷除去支援など、陸上やスポーツの枠を超えた活動をしてきたからこそ、競技を内向きにしないことに意欲を持つ。
「陸上はどうしても競技場でやると(トラックから客席の)ファンとの距離が遠く、種目も多い。ある意味で、ばらついているところを一つにまとめて、その距離感を近くに感じてもらわないと陸上は愛されないかな、と」
新型コロナウイルスの感染拡大下で開催の可否を巡って世論が割れた東京五輪・パラリンピックに疑問を持ち、当時、発言したこともある。
「私にはスポーツの価値全体への危機感がある。社会の中でスポーツがどうあるかも含めて、(陸上関係者の)感覚をどう向上させるか考えたい」
今年9月には東京で34年ぶりに世界選手権が開催される。
91年の東京大会の女子マラソンで4位に入った有森さんにとっても思い入れが深い。
新型コロナの影響で21年の東京五輪の陸上競技が行われた国立競技場は無観客だった。
「いろいろあった(東京)五輪にあって、特に子どもたちは(国立競技場で)最高のプレーを見ていない。まずは愛される競技場になってほしい」
「最高」の大会にするため、自らにまず何ができるかを考えている。
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