ペットボトルのふた、すぐ開けられる? 身近なフレイルのサイン
加齢に伴って身体機能などが低下し、要介護状態になるのを避けるには「フレイル(虚弱)」と呼ばれるその手前の状態にいち早く気づき、対策を取ることが重要になる。
では、フレイルを早期発見するにはどうしたらいいか。国際医療福祉大の研究チームが着目しているのが「ペットボトルのふたを開ける」という動作だ。
チームは2023年6~8月、栃木県内の73歳と77歳の603人を対象に書面で調査を実施した。厚生労働省作成のフレイルのチェックリストと、ふた開けの難易度に関する調査票を送付し、一部の病気治療中の人などを除いた427人分の回答を分析。すぐにふたを開けられないグループはそうでないグループと比べ、フレイルのリスクが有意に高いとの結果をまとめ、日本理学療法学会連合の英文誌で発表した。
この調査では回答者の主観で答えてもらったが、チームは実際にふた開けに挑戦してもらい、フレイルなどに該当するかどうかを調べる研究も行った。
チームは22年7月~24年2月、県内の65歳以上の341人(平均年齢80歳)に525ミリリットル入りの未開封のペットボトルのふた開けを試みてもらった。
結果を分析すると、ふたを開けられなかった人は開けられた人と比べ、フレイルのリスクが3・38倍も高かった。「サルコペニア(筋力や身体機能の低下)」は3・61倍、立つ、歩くといった機能が低下する「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」のリスクも2・72倍だった。この研究成果は、日本老年医学会の英文誌に掲載された。
同大の沢谷洋平講師(理学療法学科)は「ふたが開けられなかった人の9割以上はフレイルか、その一歩手前の『プレフレイル』だった。ふた開けができるかどうかでフレイルなどの兆候を捉えることができる可能性がある」と話す。
ふたを開けづらくなったからと言って、フレイルと判定されるとは限らないが、そうした気づきを本格的にフレイル予防に取り組むきっかけにするのは一つの手だ。
フレイル予防は栄養、身体活動、社会参加という三つの面の取り組みがポイントになる。それぞれ、バランスのいい食事を心がける▽ウオーキングなどの運動をする▽友人と会ったり自治体の介護予防事業に参加したりする――といったことが考えられる。
沢谷さんは「ふたを開けるという身近な動作を通じて予防が必要かもしれないと気づいたら、生活を見直す一歩につなげてほしい」としている。【大場あい】
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