北朝鮮、露派遣の兵士を表彰 金正恩氏が遺族の子供抱きしめる場面も

2025/08/22 11:36 

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 北朝鮮国営の朝鮮中央通信は22日、首都・平壌でロシアに派遣された朝鮮人民軍の指揮官や兵士に対する国家表彰の授与式が開催されたと伝えた。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記も出席し、兵士らが「朝鮮人民軍の威力を遺憾なく立証した」と演説。国営通信は、ウクライナとの戦闘で戦死した兵士の遺族らを金氏が抱きしめる写真も配信した。

 北朝鮮がロシアに派遣された兵士を表彰するのは初めて。授与式では軍功のあった兵士らに英雄称号と勲章、メダルが授与された。金氏は演説で、兵士らを「国中が敬うようにする」ために授与式を開催したと説明。「私が最も評価するのは、我が軍が戦争に万全の準備をしている実情がはっきりと確認されたことだ」と称賛した。

 一方、戦死した兵士らについて「写真でしか会えなくなった現実を前に胸が痛む。彼らがこの場に一緒にいたらどんなに良いだろう」と述べた。遺族に対し「私たちを信じて任せた大切な息子たちを守ってあげられなかったやるせなさと申し訳ない気持ちを、どのように表現すればいいのかわからない」と述べ、黙とうをささげた。

 また「偉大な参戦者の功勲を末永く伝える」ため、戦闘偉勲記念館と戦闘偉勲記念碑を平壌に建設すると発表した。

 北朝鮮は2024年10月以降、ウクライナ侵攻の反撃として越境攻撃を受けたロシアを支援するため、約1万5000人の兵士を派遣し、約4000人の死傷者が出たとされている。【ソウル日下部元美】

毎日新聞

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