「人質全員の解放求める」ネタニヤフ首相 ハマスとの停戦交渉を指示

2025/08/22 09:41 

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 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとの戦闘を巡り、イスラエルのネタニヤフ首相は21日、ビデオ声明で「人質全員の解放と戦闘終結に向けて即座に交渉を始めるよう指示した」と語った。ハマスは拘束中の人質の約半数を解放する一時停戦案に同意しているが、イスラエル側は今後の交渉で、さらなる譲歩を求める可能性がある。

 ロイター通信などによると、ハマスが受諾した停戦案は、60日間の停戦期間中、人質50人のうち、生存者10人と死亡した18人の遺体を引き渡すとの内容。7月に行われた停戦交渉でイスラエル側が受け入れを決めた米国案とほぼ同じだとされる。当時はイスラエル軍の撤退範囲などを巡って合意できず、交渉が決裂していた。

 ネタニヤフ氏は21日の声明で「ハマスの打倒と人質全員の解放という二つの目標は同時に実現する」とも強調した。イスラエル軍はガザ市制圧に向けて攻勢を強めており、軍事的圧力をかけつつ交渉に臨む方針だ。

 一方、ハマスはこれまで、人質全員を解放する条件として、恒久的な停戦の実現を求めてきた。人質はハマスにとってほぼ唯一の交渉カードとなるだけに、今後の交渉でも停戦条件を巡る駆け引きが続くとみられる。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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