万博入場券300万枚が未使用? 輸送力限界で使い切れない可能性も

2025/09/13 06:00 

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 大阪・関西万博で販売された入場券のうち、未使用のものが少なくとも300万枚あるとみられ、10月13日の閉幕までに使い切れない可能性が出てきた。地下鉄やバスなど交通機関の輸送能力に限界があり、来場予約枠を設けているためだ。日本国際博覧会協会(万博協会)は、早めの予約を呼びかけている。

 万博協会によると、入場券は9月5日時点で累計約2071万枚を販売した。特に8月中旬以降は好調で1日10万枚のペースで売れている。

 一方で、スタッフなどを除いた一般の入場者数は同日時点で累計約1747万人。お盆以降は1日平均約15万人のペースだが、お盆までの伸び悩みもあって、開幕以降の1日平均は約12万人にとどまる。

 単純計算すると累計の差は約324万となり、複数回入場できる「通期パス」や「夏パス」が約68万枚売れたことも考慮すれば、未使用の入場券は400万枚近い可能性もある。万博協会は現時点で枚数を公表していない。

 未使用のチケットが積み上がった背景には事前予約制がある。万博協会は「並ばない万博」を掲げ、円滑な入退場のために入場ゲートに予約枠を設けた。これが事実上の「入場制限」として働き、お盆までの客足の低迷につながった。

 万博協会は当初、半年間の会期中の入場者数を2820万人(1日平均15万人)と想定していた。交通機関の輸送能力などを考慮して、1日の入場者数を最大で22・7万人と見込んでおり、残り1カ月でこの水準の客が連日入ったとしても、2820万人には届かない。

 8月18日以降は来場日時を指定した入場券のみ販売しており、それより前に入手したチケットは、来場予約枠が埋まれば使えなくなるおそれがある。既に土日を中心に予約を締め切った日も出ており、平日も午前中はほとんど空きがない状態だ。万博協会の石毛博行事務総長は9月8日の記者会見で「来場予約枠が急速に埋まりつつある。(入場券の)払い戻しはしないので、早期の予約を強くおすすめする」と呼びかけた。

 なお、2005年の愛知万博(愛・地球博)では、未使用の入場券は99万枚で、未使用率は5・7%だった。大阪・関西万博はこれを大幅に上回る可能性がある。【岡崎英遠】

毎日新聞

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