生活保護申請者に対する「1円単位の確認」取りやめ 埼玉・越谷
埼玉県越谷市は、生活保護の申請者に対して職員が財布の現金を1円単位で確認する「独自審査」を取りやめた。毎日新聞の報道などを受けた措置で「不適切な手法が一部で常態化していた」とし、申請者による自己申告に改めたという。
保護申請時に持っている預貯金や所持金などは「手持ち金」と呼ばれる。家賃や光熱費など1カ月当たり最低限必要な生活費の5割を超えていれば、初回に支給する保護費から差し引かれる仕組みになっている。
現金をたんす預金にしたり、故意に隠したりすれば「不正」を捕捉できない。このため、多くの自治体では申請者に対して、手持ち金を書類に記入してもらったり、金融機関に照会したりして「適正な支給」に努めている。
一方、越谷市では「正確な支給」を目的に申請者の財布の現金を1円単位で確認していた。生活保護法には財布の中まで調べる規定はないが、担当者は「今後も続ける」としていた。
毎日新聞は1月、「疑問や屈辱感が消えない」とする申請者の声や「心理的プレッシャーで申請を抑止する方法だ」とする識者の見解を報道した。
市は毎日新聞の取材をきっかけに、職員調査を実施。窓口業務などを担う計約50人のうち、半数程度が申請者の同意を得たうえで財布の中身を確認していたことが分かった。保護申請が毎年500件ほどある中、この手法の実施件数や開始時期は把握できなかったものの、「先輩から引き継がれる形で一部では常態化していた」という。
今後の対応を協議した市は、「財布の中身を確認したとしても、完璧に正確な所持金を把握できるわけではない」と結論付けた。そして1月20日から、所持金の確認は申請者の自己申告とするルールを設けたという。担当者は「不快な思いをさせてしまった申請者には申し訳ないことをした」としている。【渋谷雅也】
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