黄金の茶室も 「豊臣兄弟!」登場の名護屋城、歴史学ぶ博物館

2026/05/04 07:15 

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 大型連休はもちろん、週末にちょっと出かけたい九州・山口の博物館や美術館、文化施設を紹介します。

 ◇大河ドラマで関心高く

 その博物館に向かって進むと、珍しい名前の付いた交差点が次々と現れてくる。「伊達政宗陣跡」「前田利家陣跡」「加藤清正陣跡東」――。国の特別史跡「名護屋城跡」に隣接する「佐賀県立名護屋城博物館」(同県唐津市)に至る光景は、ここが日本の「中心」だったことを示す。

 名護屋城は、豊臣秀吉が朝鮮半島に大軍を送った文禄・慶長の役(1592~98年)に合わせて1591年に築城が始まり、7年間にわたり大陸侵攻の拠点となった。面積は約17ヘクタールと当時は大坂城に次ぐ規模を誇り、周囲には諸大名の陣が約160カ所築かれた。商人や職人なども訪れ、全国から20万人超が集まったと言われる。

 城跡の隣にある博物館は1993年10月に開館。常設展示室と企画展示室、ホールなどがあり、発掘・研究や、展示などを担う。この地の経緯を踏まえ、日本列島と朝鮮半島の交流史を原始・古代から近現代まで紹介しているのも特徴的だ。

 常設展示室に入ると、名護屋城と周辺を復元したジオラマが目を引く。天守を抱く壮大な城と立ち並ぶ無数の建物から当時のにぎわいが伝わる。金箔(きんぱく)が施された瓦や茶器などの出土品のほか、日朝両国の軍船「安宅(あたけ)船」「亀甲船」の模型なども往時を感じさせる。

 その一画、黒いカーテンをくぐると現れるのが復元された「黄金の茶室」だ。秀吉が政治・外交上の重要な場面で披露したといい、組み立て式で名護屋城でも4回使われたという。2022年3月に公開され、約1万6500枚の金箔に包まれた三畳の空間は、豪華絢爛(けんらん)に尽きる。

 NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の放映で、名護屋城にも関心が集まる。学芸員の岩永亜季さんは「展示と史跡が隣り合わせになっているので、合わせて見てもらうことで理解を深めてもらえるのでは」、学芸員の田畑春香さんは「展示で見るべき所を知ってから史跡を実際に歩いてみると、その規模を体感できるのでは」と勧める。【石川貴教】

 ◇佐賀県立名護屋城博物館

 佐賀県唐津市鎮西町名護屋1931の3。入館無料。午前9時~午後5時。休館日は月曜(祝日の場合は翌平日)と12月29日~1月3日。周囲に特別史跡「名護屋城跡並陣跡」もある。電話(0955・82・4905)。

毎日新聞

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