H3ロケット12日に打ち上げ再開 初の低コスト型で再起なるか
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12日、国の大型基幹ロケット「H3」6号機を午前9時54分ごろ、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げる。昨年12月の8号機の失敗から、異例の半年での再開となった。6号機は補助ロケットがない簡素な形態で、液体燃料だけで飛ぶ初の大型機体。官民ともにロケット開発が難航し、日本の宇宙への輸送手段が途絶える中、新技術を背負ったH3の再起に注目が集まる。
JAXAは昨年12月22日に8号機を発射したが、搭載した測位衛星「みちびき5号機」を予定の軌道に投入できなかった。JAXAは4月、衛星を載せる台座の結合部の接着不良が原因とする中間報告をまとめ、補修をして再開することを決めた。初号機の失敗から2号機打ち上げまでは約1年を要したが、今回は早期再開を目指し、原因究明と対策を急ピッチで進めた。
H3は主エンジン数と補助ロケットの本数の組み合わせによって3形態あり、6号機は補助ロケットのない「30形態」の試験機。輸送能力は小さいが、最も低コストなのが特徴だ。今回は試験機のため、高価な実用衛星は積まず、ダミー衛星を搭載。副衛星として積んだ民間企業や大学の超小型衛星6基を地球周回軌道に投入する。
H3は成功率98%を誇った「H2A」の後継機。市場での競争力確保のため、打ち上げ費用を、1回当たり約100億円とされていたH2Aの半額とすることを目指している。23年以降7回打ち上げたが、2回失敗。6号機で3形態すべての打ち上げが完了する。
JAXAの有田誠・プロジェクトマネジャーは「6号機はもともと試験機として新技術のチャレンジの場と考えていた。再起の挑戦も合わさり、ハードルが倍になった。これを乗り越えないとH3の未来はない」と意気込む。
海外の打ち上げ市場では、米スペースX社が1強で、2番手争いの激しさが増す。日本はH3の他に、国の小型基幹ロケット「イプシロン」、宇宙ベンチャー「スペースワン」の小型ロケット「カイロス」ともに失敗が続いている。【木許はるみ】
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