夏季以外の富士登山、一律禁止に「懸念」 山岳団体が声明発表へ

2026/06/12 15:38 

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 登山道閉鎖中の富士山で遭難者が相次ぎ、周辺自治体の首長が規制強化に言及していることを受け、日本山岳会など山岳4団体でつくる「山岳安全対策ネットワーク協議会」が来週にも、登山の過度な制限に対する「強い懸念」と「再考」を求める声明を発表することが12日、同協議会関係者への取材で判明した。必要なのは「安全性を高める制度設計」だとし、具体案も示す。

 富士山の四つの登山道は静岡・山梨両県の県道で、例年7月上旬から9月上旬の開山期間以外は通行禁止となる。一方、登山は禁止されておらず、静岡県警によると、2025年の富士山の遭難件数は開山期が36人(死者なし)、それ以外が9人(死者1人)だった。

 両県では防災ヘリの救助費用の有料化や立ち入り規制の検討が進められている。富士宮市の須藤秀忠市長は5月、登山道閉鎖期間中の登山を制限する仕組みづくりを鈴木康友知事に要望。また、山梨県の長崎幸太郎知事は5月の定例記者会見で「救助の有料化も含め無謀登山者の防止策について秋ごろに方向性を出し、必要に応じて12月議会に条例案を提出したい」と述べた。

 こうした動きに対し、同協議会は声明で「無謀な登山を容認する立場では決してない」とした上で、夏山シーズン以外の富士登山を「一律禁止」にするという議論の方向性は、「慎重に積み重ねられてきた日本の登山文化や、個々人が適切な準備と責任のもと自然に挑戦する自由を過度に制限するものになりかねない」と指摘する。

 また、安全を高める方法として、冬季登山での入山届提出の厳格化▽危険区域での事前講習や技術確認制度▽遭難救助費用負担の明確化――などを挙げ、現実的で実効性のある対策を優先して議論すべきだとして、山岳関係者らを交えた公開の議論の場を設けることを求める。【道下寛子】

毎日新聞

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