皇室典範審議、女性史家から批判の声「男系継承は作られた伝統」

2026/07/08 19:10 

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 政府が今国会で成立を目指す皇室典範改正案を巡って、女性の研究者や作家らから「日本の歴史を踏まえていない」「性差別的だ」と批判する声が相次いでいる。

 有志の女性史研究家らは8日、古代の皇位継承や女性天皇に関する研究を国会審議に反映するよう求める要望書を野党に提出した。

 要望書は、一橋大客員研究員の平井和子さんや国立歴史民俗博物館名誉教授の横山百合子さんらがまとめた。

 「日本の権力者のジェンダーの在り方、特に古代における女性天皇輩出の背景に関する実証が抜け落ちている」と批判している。

 ◇皇室典範は「作られた伝統」

 要望書によると、弥生時代から古墳時代には卑弥呼をはじめとして多くの女性首長が政治に関与し、7~8世紀にかけて8代6人、近世には2代2人の女性天皇が誕生した。

 明治時代以降の皇室典範が皇位継承を男系男子に限ったことについて、「帝国主義的近代国家を作るために、『神武以来の万世一系』という史実に基づかない『新しい伝統』をつくりあげた」と指摘。「古代における天皇の継承には父母両方から受け継ぐ『双系制』が基盤にあった」とした。

 要望書を提出した平井さんは「日本の長い歴史でみると、女性・女系天皇を排除した皇室典範は作られた伝統であり、説得力をもつ歴史の見方でない」と強調した。

 ◇女性作家「あまりに差別的」

 さらに平井さんは、国会の議論が社会に与える影響も懸念。「(連日の報道で)男系男子と言われると、女性にとっては『あなたたちはいらない』と聞こえて、ジェンダーハラスメントだとも感じる。人権やジェンダー平等といった大事なことが抜けたまま、一部の人で決められたら禍根を残す」と述べた。

 また、日本ペンクラブ女性作家委員会は7日、「性差別を助長する皇室典範の改正に断固反対する」との声明を発表した。

 国会の議論について「あまりに差別的であり、人間の尊厳を踏みにじるものだ。男系男子の皇位継承に固執した政府与党の改正案は、性差別の固定化につながり、国民の理解を広く得られるものではない」と批判した。【山本萌】

毎日新聞

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