<特権を問う>「日本思い…」 米兵被害の豪女性、首相に地位協定改定求め手紙

2026/10/09 20:50 

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 沖縄県で女性を殺害し、金品を奪った容疑で米兵が逮捕された事件を受け、性犯罪被害者らの支援活動に取り組むオーストラリア人のキャサリン・フィッシャーさん(東京都在住)が9日、外務省職員と面会し、高市早苗首相あての手紙を手渡した。米軍関係者による事件・事故が相次ぐ背景に、米軍にさまざまな特権を与える日米地位協定の存在があるとして、高市氏に改定を求めている。

 ◇数字は「深い傷痕残した現実」

 フィッシャーさんは2002年に神奈川県内で見知らぬ在日米軍の兵士から性的暴行を受けた。米兵は不起訴になったが、民事裁判を起こし東京地裁で性暴力被害を認定する判決を勝ち取った。ところが、米兵が裁判中に帰国したため、捜し出して米国で再提訴。13年にようやく性暴力の責任を認めさせたという。

 手紙では、日米安保条約が発効した1952年度以降の在日米軍関係者による事件と事故を21万件以上、死亡者数を1000人以上とする防衛省の記録に触れ、「これは単なる数字ではありません。その一つ一つが失われた命であり、引き裂かれた家族であり、世代を超えて地域社会に深い傷痕を残してきた現実なのです」と訴える。

 その上で、米兵犯罪や自身が体験した裁判中の国外逃亡などが起こる背景に、米兵に日本の法令を「尊重」する義務しか課していない地位協定16条の問題があると指摘。協定を改定し、日本の法令を「順守」させるべきだと提言している。

 ◇高市首相に訴えた言葉は

 自らの被害体験を語り、性暴力被害者の支援を地道に続けてきたフィッシャーさんは「私の草の根の活動は日本への深い愛情と、日本のより良い未来を願う思い、そして暴力を根絶するという決意に支えられている」とつづり、高市首相にこう呼びかけた。

 「法がすべての人に平等に適用され、正義の鐘が誰に対しても等しく鳴り響き、どの被害者も取り残されることのない社会であるべきです」

 フィッシャーさんは外務省の職員に手紙を渡した後、法務省や警察庁の職員らも同席した席で「あと何人の女性が殺されたら協定を見直すのか。沖縄で起きた今回の事件を契機に、高市首相はトランプ大統領と協定見直しのための話し合いをすべきです」と訴えた。【大場弘行】

毎日新聞

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