ノーベル化学賞の硤合憲三さんが講演 「運動に比べたら全然…」

2026/10/20 18:35 

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 今年のノーベル化学賞に選ばれた東京理科大栄誉教授の硤合(そあい)憲三(けんそう)さん(76)が20日、受賞決定後初めて東京都内で講演した。生命を構成するアミノ酸には「左手型」と「右手型」の両方の立体構造が存在しうるのに、なぜ自然界ではほぼ片方だけに偏るのかという「ホモキラリティー」の謎を追い続けた半世紀近くの研究を振り返った。

 講演は日本化学会が主催し、抽選で選ばれた約250人が集まった。硤合さんは自身が発見し、ノーベル賞の授賞理由となった「硤合反応」について解説。生命誕生の過程で生じたごく小さな左右差を、この反応が雪だるま式に増幅させていると説明した。

 講演後に記者会見した硤合さんは、若い頃から生命の起源に関わる問題に関心を抱いていたと明かし、「根源的なことにもともと興味があった」と語った。

 また、高校時代はバスケットボール部に所属していたといい、「苦しい試合を経験したことで、少しでも頑張れる力が身についた。研究にも少し役立ったかなと思う。(研究は)運動に比べたら全然、肉体的には苦しくない」と笑いを誘った。

 この日、日本の火星衛星探査機「MMX」が打ち上げられた。探査機が宇宙から持ち帰る試料の分析には硤合反応が用いられる。宇宙のどこかで硤合反応が起きたと仮定し、試料中のアミノ酸の型の偏りを分析することで生命の起源を探るのだ。硤合さんは「私たちの反応では、偏りが誤差範囲でも検知・識別できる。他の方法ではできないこともできる可能性が十分にある」と期待を示した。【大野友嘉子、木許はるみ】

毎日新聞

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