今年の米国野球殿堂入り表彰者が２１日（日本時間２２日）発表され、米大リーグ通算３０８９安打をマークしたイチローさん（５１）＝本名・鈴木一朗＝が、日本人で初めて選出された。得票率は満票に１票足らない９９・７％で、米国野球殿堂で過去に１人しかいなかった「満票」での選出はならなかった。

　イチローさんは１６日に選出された日本の野球殿堂の際も得票率９２・６％で、史上初めての「満票」には届かなかった。米国殿堂では、ヤンキースの抑えとして５回のワールドシリーズ（ＷＳ）制覇に貢献し、メジャー歴代最多の通算６５２セーブを記録したマリアノ・リベラさんが、２０１９年に史上初めて満票で選出されている。

　大リーグ評論家の福島良一さんは米国殿堂の選出では「チームの勝利に、どれだけ貢献したかが、非常に大きな要素として考えられる」と指摘。その上で歴代最多の年間２６２安打など「個人記録だけで満票を得る資格は十分にあった」としながら、満票に届かなかった背景としては「所属チームのＷＳ優勝はなかったなど、チームとしての実績がなかった点ではないか」と語った。【川村咲平】