全校生徒25人が野球部関係者 初出場の未来富山って? 夏の甲子園

2025/08/11 12:30 

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 第107回全国高校野球選手権大会で、富山から春夏通じて初の甲子園出場を果たした未来富山は、野球に特化した通信制高校だ。全校生徒は、ほぼ全員が野球部員。授業はプリントでの学習を中心とし、野球の練習時間を多く確保することで力をつけてきた。

 学校は通信制学校「未来高校」の系列校として2018年に創立された。未来高校の本校は松山市にあり、校舎にあたる「学習センター」が全国各地に点在している。

 未来富山の生徒たちは、富山県魚津市にある「富山中央学習センター」で主に授業を受けている。

 現在の全校生徒は25人で、うち23人が野球部員。残る2人は、卒業に必要な単位を取るために学校に残っている野球部OBだ。

 学校関係者によると、生徒は全員が男子。かつては女子生徒が入学し、野球部のマネジャーを務めていたこともあったという。

 コースは野球部員が入る「アスリートコース」のほか、「総合学習コース」や「介護福祉コース」も用意されている。現在は全25人がアスリートコースで学んでいる。

 生徒たちは学習センターに隣接した寮に住んでいる。平日は午前中に、教員と対面でプリント中心の授業をこなした後、午後は近くの球場までバスで移動して練習することが多いという。

 寮の近くには室内練習場があり、午前の学習時間が早めに終わった後など、短時間でもすぐに野球の練習ができる環境が整っている。

 今夏の富山大会では、エースで4番を務める江藤蓮投手(3年)が優勝の原動力になった。最速145キロを誇るプロ注目の左腕で、春には野球のU18(18歳以下)日本代表候補合宿にも選ばれた。

 チームを率いる角鴻太郎監督は、コーチを経て23年から現職。元ヤクルトの内野手・角富士夫さんの長男で、日大三(東京)時代には3年時に夏の甲子園に出場した。【吉川雄飛】

毎日新聞

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